ほろ酔いグランプラス
冬のベルギーは寒いといえば寒いですけど、滞在中は雪ではなくて雨。
晴れたり、曇ったり、雨が降ったり、風が吹いたり、また晴れたり。
カッパ着るほどドッサリは降らないけど、折りたたみ傘は必須ですね。
1日じゅう王立美術館で過ごしたあと、
ビアカフェで一杯引っ掛けてから雨に濡れて輝くグランプラスを抜けてホテルへ。
世界遺産のギルドハウス。
想像してたよりもグランプラスって、こじんまりしてる。
« 2016年02月 | Main | 2016年04月 »
冬のベルギーは寒いといえば寒いですけど、滞在中は雪ではなくて雨。
晴れたり、曇ったり、雨が降ったり、風が吹いたり、また晴れたり。
カッパ着るほどドッサリは降らないけど、折りたたみ傘は必須ですね。
1日じゅう王立美術館で過ごしたあと、
ビアカフェで一杯引っ掛けてから雨に濡れて輝くグランプラスを抜けてホテルへ。
世界遺産のギルドハウス。
想像してたよりもグランプラスって、こじんまりしてる。
先月、乗り継ぎのオランダ、アムステルダム国際空港の売店で球根を買ったのです。
お土産というか記念というか........まぁ、日本のホームセンターで球根を買っても「生産国 オランダ」なんて書いてあったりするのですが。
旅の帰りに買ってきたとなると想いも違うものじゃないですか。
例えば、久しぶりに足を通したズポンのポケットに砂が入っていたとするでしょ。
なんだこれ、って思うと同時に、
強引なまでに記憶の中の風景に引きずり込まれながら、
随分前にそれを履いた時のことを思い出すんです。
目の前に広がる青い海、
眩しい日差し、
遠くで輝く波と、近くに寄せる白い波、
手の中にある貝殻、
少し離れたところにいる妻と、波の音、風が耳に当たる音、届かない声。
という訳で、
また1つパラレルへの鍵を庭に埋めることになるのです。
ちゃんと咲いてくれるかな。
.........植えどきは9月〜11月らしいんだけど......お、お、お、お楽しみに。
マグリット美術館から移動して古典美術館 Old Masters へ。
近代・世紀末美術のほうがマグリット美術館と近いのですが古典のほうがゆっくり見たかったので先にこちらへ。
入ってすぐの大きな吹き抜けの空間には古典ではない近代から現代に近いベルギーの作家の作品が展示されてました。
この美術館のショップにて販売されている森耕治著「ベルギー王立美術館古典美術館名作ガイド」によればコンスタン・モルタルやピエール・アレシンスキーなどはベルギー出身の作家とのこと。
この宇宙飛行士は......載ってなかったなぁ。
ルーベンスのデッサンなどの小作品部屋です。
そしてルーベンスの大作の部屋。
ルーベンスの代表作のほか、同時代に活躍したアントニー・ヴァン・ダイク、テオドール・ファン・ローンの作品と一緒に展示されていました。
ルーベンスは楽しみにしていたし、確かにこの作品は素晴らしいのですが、この翌週にアントワープのカテドラルでキリスト昇架とキリスト降架を見たことで古典美術館でのルーベンスの印象が薄くなってしまいました。。
とはいえ、個人的な感想ですが、
ルーブルのマリードメディシスの生涯は圧倒的な作品量とサイズなのに何だか太鼓持ち大河ドラマな感じで厭らしさのようなものを感じてあまり好きじゃないのに対して、ルーベンスの描くキリストというのはグッとくるものがあります。
この写真では殆ど見えませんが、奥のキリストの描写、特に肌の透けたような生々しい感じはアントワープの祭壇画のそれに通じるものがあるように思います。
僕にとってはマリードメディシスもキリストもどちらも物語でしかないのですが、ルーベンスの描写力はキリストの物語の方が似合っていると思っています。
ダヴィッドのマラーの死です。
僕的にはこれが古典美術館のなかでの目玉のひとつです。
静けさの中に見るフランス革命の雄の暗殺。
抑えられた色での柔らかな描写の神的美しさと、構図の妙。
血のついた手紙、床に落ちたナイフ、ターバンのように巻かれバスタブにも掛けやれた白い布、墓石のようなサイドテーブル、其々が語るドラマチックなストーリーは映画を観ているかのように頭になかで再構築されます。
絵画としての完成度の高さと奥行きの深さに絵の前から離れられない。
ブリューゲル、長男のピーテルブリューゲルの謝肉祭の争いと四旬節です。
フランドルの絵画として目にしてはいたものの、ブリューゲルについて興味を持ったのはこの三年くらいです。
きっかけはパリのルーブルで見た「足なえたち」、そして翌年カポディモンテ美術館で見た「盲人の寓話」です。
この2つの作品に見た社会性、政治批判がストレートに込められた16世紀の油彩画にちょっと惚れました。ポッ。
ここ王立美術館にはさすがブリューゲルの作品が多い。見応えあります。
このようないかにも「ブルーゲル的」な作品が沢山見られます。そしてその中にも沢山の社会的な寓意が込められていました。
ここで作品解説的に調べながらレポートを書いていると旅のメモが終わらないので止めといて(笑
漠然とブリューゲルの名前しか知らない方が美術館で「ブリューゲル的」な作品を見た時のためのプチ情報。
この絵はピーテルブリューゲルの長男のピーテルブリューゲルによる模写です。
名前が全く同じなので分かりにくいでしょ。
もちろんどちらの作品かはキャプションに表記されてますからタイトルを見れば分かるのですが。。
ちなみに日本語では「ピーテル・ブリューゲル(父)」とか「ピーテル・ブリューゲル(子)」とか表記されます。
長男は父の元で修行して父の作風そっくりに作品を作り、父の模写を沢山残しました。
その沢山の模写が世界中の美術館に展示されています。
僕はルーブルとカポディモンテで絵画に込められた社会性の強いメッセージに、高い芸術性を感じました。ブリューゲルはフランドルの牧歌的な農民を絵を描くだけの画家ではないし、こんなストレートな表現もしたんだ、と。
息子はその模写をして、父の絵と並べて展示されていますし、場合によってはオリジナルように、あ、ブリューゲルだ!と見られます。これは父でこれは息子、と初見で分かるににはかなり深く見てる人じゃないと分からないんじゃないかな。もちろん、僕には出来ませんし、これはどっちの、という情報を構図と色で見分けた記憶と一緒にインプットしているだけです。
「ブリューゲルの作品」と一言でいう時は「ブリューゲル親子の作品」を指している場合があるかもしれませんね。
これって現代ではないですよね。
オリジナリティを求められる現代では息子ピーテルは芸術家というよりも高い技術を持った職人ということになりますが、画家はまだ職人として扱われていたこの時代背景を考えると不思議ではないんだけど、それにしても.......その辺りの息子の考えがきになるので、機会を見て調べてみようと思います。宿題、宿題。
ちなみに、次男のヤンブリューゲルは独自の作品を創りました。
でもヤンブリューゲルの息子もヤンブリューゲルと同じ名前でして、父の影響を強く受けた作品を残しています。。
マグリット美術館、古典美術館、からの、近代&世紀末美術館です。
そう言えば、朝に入場してから何も食べてません。
このまま最後まで行っちゃいます!
古典美術館から来るとぐっと現代的、2013年に開館した新しい美術館です。
何気に作品数が多いです。ビックリ。
アンソールの作品の前で授業中。
ベルギー滞在中、いろんな美術館で子供達が絵の前で先生の話に耳を傾けていましたが、かなりの確率でアンソールでした。やっぱりベルギー出身の画家ですからね。
ロダンもありました。
他にもゴーギャン、ボナール、スーラ、デルボーなどなど所蔵してます。
ただ、すごいのがあるという感じではなくて幅広く見られるという感じでしょうか。
やっぱりご当地アーティスト。
ベルギー象徴主義のクノップフのコレクションはいっぱいあり見応えありました。
学生の頃、東京にクノップフ展が来ていたのを覚えています。
あれはいつだったかな、と今、本棚の図録を探してみたら1990年の渋谷Bunkamuraでした。
120点あったらしいですから凄い数でしたね。
ここベルギー王立美術館からもたくさん日本に来ていたようです。
ビアカフェで飲んで、部屋で仕上げる。これ定番。
グランプラス近くにあるスーパーは、カルフールとデレーズがありました。
在庫してるビールの種類はカルフールの方が多かったです。
ビアカフェでも瓶ビールの提供は多く、味見だけならスーパーで買って部屋のみでも十分楽しめるかと。
でも現地に来てビアカフェに入らないと飲めない樽出しオンタップのビールや熟成タイプビールも沢山あるので、そこは気張って繰り出さねば、です。
まずは、この日の部屋飲みビール。
左からブッシュのアンバー。
アルコール度数12度しっかりタイプ。ブリュッセルよりも西にあるエノー州(ワロン地方)のディブイッソン醸造所。キャラメルモルトを使用しているそうで色は濃く苦味にの中に甘みを感じます。日本でも買えます。
中央はモールシュビトのホワイトランビック。
ブリュッセルといえばランビックです。僕はランビックが大好きでランビックを飲むためにブリュッセルに来たようなもの。でも瓶のランビックとオンタップの樽出しのランピックと熟成させたランビックは別物です。これはグランプラスのすぐ近くに有名なビアカフェ、モールシュビト発祥のビールです。そこに行くとオンタップのランビックが飲めます。
この瓶のホワイトランビックはフルーティで甘め。しっかりとした味ですが爽やかな香り。
右はリンデマンスのファロ。
これもランビック。ファロは二次発酵時に氷砂糖を加えているそうで爽やかな甘み。酸味よりも甘みとフルーティな香りが特徴です。一日じゅう美術館で頭使った後にはちょうどいいかも。これも日本で購入可能。
ベルギーのスーパーで売ってるビールの多くは日本でも購入可能です。すごい、日本!
やはりベルギービールの日本のインポーターの草分けといえば小西、その素晴らしさをブリュッセルで感じるのです。