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2019年12月 ARCHIVES

2019年12月14日

清野隆 作品展「BARRACK」/ 殻々工房

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殻々工房で開催中の 清野隆 作品展「BARRACK」のご案内です。

清野隆(せいのたかし)さんは那須塩原市在住の作家で、那須の高原エリアと黒磯中心部を繋ぐ鳥の目街道沿いにあるギャラーバーンのオーナーでもあり、今回、殻々工房では初めての個展となります。

ギャラリーバーンのオープンと僕らが那須に越してきたのはほぼ同時期で、それ以来、幾度となくお邪魔させていただき、展示の情報交換などもさせていただいてきました。
清野隆さんは、小さな鳥の工作をしたり、ユニークな野鳥の巣箱、ジョセフコーネルを想わせる詩的な箱のオブジェなど、アイデアを次々に形にされています。

そんな中の1つに"Deserted house series"と題された今回のシリーズがあります。

全て、手のひらに乗るサイズの小さな作品です。
使われている素材は、展覧会などイベント作成されたDMなどのポストカードや段ボール、厚紙などの梱包資材、ストロー、細い針金など。
紙は細くカットし劣化した板のように着彩され、剥がした坂ボールは錆び色で塗られ波板となり、ストローは錆びた煙突のように組立られています。非常に細かな仕事に目を奪われます。

その作品の一部をどうぞ。




↑Click the image to see the enlarged image.

何年か前にギャラリーバーンで展示されているのを拝見し、
捨ててしまうポストカードなどの廃材で、バラックのような廃屋を高い密度で作られていることに感心して、個展のお話をさせていただきました。

今回の展覧会名のBARRACKについては清野さんと話して決めさせていただきましたが、僕の頭の中には、建築家の秋山東一さんのブログで紹介されているBARRACK finder の説明から浮かんできた言葉です。

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[ BARRACK finder ]

「バラック barrack 」って、辞書には「兵舎、兵営」、それ以外に「一時の間に合わせに建てる粗末な家屋」とある。ここでのバラックってのは、もちろん、後者のバラックだ。

それは、それを作る過程、考える過程がその表面に直接表現されているのだ。最終的な形態もなにも意図されていない、そして、そこに在ったであろう材料と、あくまでも即興的に、自由自在、自由闊達な世界があるのだ。あるデザイン的な意図をもって何物かを作ろうとしたのではない。予定調和を目指したものではない。その即興の結果、最終的に辻褄を合わせようともしていない。率直、直裁に必要としている物をつくりだしたのだ。

僕は、バラックは美しいと思う。このバラックから空間構成のレトリック、その手法を学ぼうと思う。

秋山東一 / aki's STOCKTAKING [BARRACK finder]より
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清野さんのバラックはその再現でもあり、また、そこから少し物語の入り口に誘う魅力があります。


ギャラリストが違うギャラリーで展示するわけですが、それはそれ。
今回のシリーズを通して、清野隆さんをギャラリーの器用なオーナーとしてではなく、作家としてきちんと紹介させていただきたく、殻々工房で展示販売させていただいております。
建物の他にも、胸を擽ぐる働く船や、機関車のシリーズも展示しております。
昼は仕事でギャラリーバーンに行けない方も、ぜひこの機会に仕事終わりに清野隆さんの仕事をゆっくりとご鑑賞ください。


これだけ細かな仕事なのにお値段はクリスマスプレゼントのようにお安く、3000円〜5000円くらい。ご自宅用としてだけではなく、ご友人にも家を一軒買ってあげちゃうのはいかがでしょうか!(固定資産税ゼロ)

会期終盤まで展示可能でしたら御売約という形も取らせていただいておりますが、今回、遠方よりお越しの方には作品のお持ちかえりも可能です。
お気軽にお声掛けください。


会期は1月18日(土)まで。
機会が合いましたら、ぜひご来場ください。
※最終週は御売約の方のお持ち帰りが多くなりますので、お早めのご来場がおすすめです。

2019年12月22日

飾り付けが地味であまり目に掛けてもらえないこのガラスのオーナメント、ヴェネツィアのムラーノ島で買って来たんだよ、と独り言のように呟きついでに島を回想。

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この丸い玉は今年の2月にムラーノ島で買って来たヴェネツィアンガラスのクリスマスオーナメントで、ウッドデッキにある鉢植えのもみの木につければ いかにもクリスマスっぽくなるのでしょうが、もみの木をも倒すパワーの北風に晒す勇気がないので夏に伐採したジューンベリーの枝に下げてカウンターに飾っています。

いよいよ もうすぐクリスマス。
それが終わればまた1年しまっとくわけですが、
昨日までに可愛いとリアクションしてくださったのは2人の女性のお客さまのみ。
きっと天使だわ。
ま、飾りつけがちょっと地味だったわね。

来年はもうちょっとキレイにディスプレイしようと思いますが、
この機会にムラーノ島の回想でも。


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真冬だけど天気が良ければそれなりに暖かい2月のヴェネツィアです。
ムラーノ島の中を散策したいので天気の良い日を選びました。
サンマルコ広場辺りのヴァポレット乗り場からボートに乗って30分くらいでムラーノ島まで行けます。
本島の東をぐるっと回って北側のヴァポレット乗り場まで行ってからムラーノに向かうので少しかったるい場合は、北のF.te Nove "C"まで本島内を歩いて移動して乗ってもいいかもしれません。


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どんぶらこっこ、どんぶらこっこ。


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ほとんどの人はムラーノコロンナMurano Colonnaで降ります。
ヴェトライ川に沿って進むのがメインストリートで、ヴェネツィアンガラスのショップやレストランが並んでいます。


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メインストリートから外れた場所にあって隠れた人気スポットがここ。
無料で工場見学させてくれるMurano Art Glass LTD
馬とか作る実演を見せてくれます。

メインストリートに戻ってあちこちのショップに立ち寄りながらあれこれ物色。

いかにもお土産用ショップやセンスの良いセレクトショップもあれば、作家の直営ショップなどもあって好みの合う店が見つかればラッキーかも。
メインの通りの先にもハイセンスなアクセサリーを売っているブティックがありました。

カラカラにあるオーナメントは、いくつかの店でちょっとずつ買いました。


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メイン通りを進み1つ橋を越えるとサンティ・マリア・エ・ドナート教会に出ます。
ここはモザイクがキレイなのでおすすめ。


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教会の名前からしてもですが、青い衣をまとってますからマリアですね。

ベニスカードを持っていればムラーノガラス美術館に無料で入れます。
何年か前にも美術館に入ったので2度行きましたが、特に見所はありませんが.....トイレとして.....後はフリーWifiが......。


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天気がいいので島の反対側まで散策。


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キレイなレンガ積みですねー。

ヴェネツィアはいくつもの島があって、本島には沢山の教会があって家も人も犇めき合っています。
以前読んだ本によれば、怖いのは病と火事。
本島とムラーノ島の間にあるヴァポレットが一度立ち寄る島はSan Michele Cemeteryというお墓だけの島です。その昔、伝染病で亡くなった死体を1つの島に集めた訳ですね。
ガラス細工には火が必要ですから、ガラス工場はムラーノ島だけに集められたと聞きました。
ガラスはそうしてムラーノという島の名前が名付けられて、世界的にも有名になったんですね。

島の北側はほとんど普通の住宅地。
小学校があったりして、あまり観光客が邪魔しちゃ悪いかな、という静けさでした。


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北側まで到着。

遠くの山並みには雪が見えます。
スイスやオーストリアのほうでしょうか。
あれを越えるとミュンヘンか、寒そうだなぁ。


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お腹が空いたのでどこかでランチでも。


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とてもリーズナブルなレストランがありました。


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素朴な味付けだけどシンプルで食べやすかったです。


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ざっくりした盛り付けで味もざっくりしてるけど、
小さいアサリがいっぱい入ってて美味しかったです。
これで10ユーロくらい。
このちっちゃいアサリ、後日、地元の人が買い出しに行くという本土(メストレ地区)のスーパーの魚屋さんでいっぱい売ってました。


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ワインも1リットルで9ユーロくらいだったような。
ホームページとか無さそうだけど、La Perla Ai Bisateiというお店。

2019年12月23日

この冬は古くなり解体したパーゴラデッキで暖まります。

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今年の夏あたりから13年前に作ったパーゴラと壁とデッキの解体をはじめました。

この場所に新たに小屋を作るので、どんな小屋にしようかなぁ、と考えながら。

パーゴラを覆っていたモッコウバラやグミの木の枝を切り落としたり。
ひょろひょろ伸びていたジューンベリーや、虫にやられたドイツトーヒは伐採しました。

少しずつ時間を作ってはバラし、片付け。
なんだかんだ1年掛かっちゃったなぁ。

解体しながら、いろいろ思い出したりするもんです。
押入れのアルバム整理みたいなものかな?

ここはパーゴラのモッコウバラの木陰で真夏でも涼しい風が流れてたなぁ、とか、
自分たち用にハンモック吊して昼寝したり、
雨の日にパーゴラの上にビニールシート乗せて七輪で牡蠣焼いたり、とか、
あの頃付き合いはじめのカップルがこのパーゴラの下でビール飲んで、今じゃ小学生になる男の子がいるんだっけなぁ、とかね。
 
 
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作業自体は大したことないんだけど結構手間が掛かる。
それと、新しい木材を組み立てる大工的な作業はとても気持ちのいいのに、朽ちた木材を分解する解体屋的な仕事は精神的なストレスが掛かる作業なんだと思った。
 
 
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店を開けながらなので、お客さんが落ちないように工事中サインをつけました。
 
 
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壁にしていた杉板を刻みます!
 
 
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パーゴラの柱や伐採した木も刻みます!
 
 
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せっかく大きくなったドイツトーヒだったけど、仕方ない。
 
 
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デッキの床板も剥がします!
 
この床板がまだ使えそうなので、刻まずに軒下に積みました。
そのうち何かに使おっと。
 
 
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ほぼほぼ解体終了!
 
来年はここに基礎を作って、ちっちゃい小屋を建てはじめまーす。


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解体して刻んだ木材は薪ストーブで燃やしちゃいます。
右側に積んであるのが広葉樹のちゃんとした薪で、
左側にあるのが廃材。

針葉樹の廃材は火持ちが悪いので焚き付けや、忙しくない時にせっせと燃やしてます。
 
 
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今年はちょっと薪代が浮きそうだわ〜♪

2019年12月28日

サンタ マリア グロリオーザ ディ フラーリ聖堂

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美術を見る目的で廻るヴェネツィアの教会のなかで個人的に好きなのがフラーリ聖堂です。
Basilica di Santa Maria Gloriosa dei Frari.


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大きな空間です。
中央に立派な木製の聖歌隊席があるのですが、2分され、正面のティッツィアーノによる祭壇画、聖母被昇天が見えるようになっています。
 

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この聖堂には窓が多く比較的明るいのですが、祭壇の背後からは最も明るく自然光が注ぎます。
ヴェネツィア派の中でも人気のあったティッツィアーノ。兄弟子のジョルジョーネが1510年、師匠のベッリーニが1515年に他界し、それ以降の長い間ヴェネツィア派を牽引する立場となり、この1516から2年間で描かれた祭壇画によって技術的にも第一人者であることを確かなものにしました。
ヨーロッパ各地の権力者は肖像画を描かせるのが好きでしたが、この頃は何と言ってもティッツィアーノが人気だったと本で読んだことがあります。なかなか予約できない肖像画家でもあり、ティッツィアーノに描いてもらうことがステータスだったそうです。
 
  
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縦長の構図が3分され、それぞれの世界が細かに表現されています。
青い衣のマリアを頂点として衣の下の赤と、二人の使徒の赤い服が三角形を作っています。
三角形の頂点の聖母に視線を誘導するために作られた天使とキャンバスの形による円形、そして逆光を使ったコントラスト。
この祭壇画のために練られた構図と高い技術だなぁ。
以前ヴェネツィアに来た時にはスケジュール的に見られなかったので、この場に来ないと見られない絵画でもありますから、ぜひまた見に来たいと思っていました。
 
ここにはティッツィアーノの「聖会話とペーザロ家の寄進者たち」もあり、また、ティッツィアーノはこの教会に埋葬されています。
 
 
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ドナテッロの洗礼者ヨハネ像も見ることができます。
 
 
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中央が木彫による洗礼者ヨハネ。1438年くらいの作品です。
ドナテッロを見るならやはりフェレンツェですが、代表作の1つにパドヴァのガッタメラータ騎馬像があります。今回、パドヴァまで足を伸ばして見に行きましたが、広場の塔の上の高い場所にあって、あまりよく見えませんでした。笑


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これも素晴らしいジョバンニ ベッリーニの聖母子。
このように近づくことはできません。。

この1年くらい僕のiPhoneの待ち受け画面になってます。
 
 
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iPhoneで撮った写真を拡大。
聖ニコラス、ペテロ、マルコ、ベネディトゥスとともにいる聖母子。

ベッリーニも いいよねー。
描写を見ると、真面目で信頼できる人って感じするなぁ(←完全な妄想)。

しかしよく見ると3枚の油絵で構成されてますが、縁取りの装飾を利用し、遠近法を使った騙し絵的に描かれています。中央の聖母子像の上部のドーム天井も絵ですし、人物の背後に装飾と全く同じ柱が描かれているので奥行きを感じますよねー。

今回は写真撮ってないのですが、サンザッカーリア聖堂の祭壇画がまた素晴らしい。
もしベッリーニ好きで、ヴェネツィアの教会廻りをされるのであれば、ぜひフラーリ、ザッカーリア、アカデミアは外せないと思います。
 
このBLOGに、前回撮ったザッカーリア聖堂のメモがありました。
サン・ザッカリア教会 Chiesa di San Zaccaria
http://karakara.pepper.jp/blog/2012/02/post_647.html
 
 
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これはアントニオ カノーヴァの記念碑。
もともとはティッツィアーノの墓のためにカノーヴァがデザインしたものだったそうです。
彼は晩年、生まれ故郷のポッサーニョに「”宗教”の彫像」などの作品や自身の遺体も収める神殿を作ろうして、その膨大な資金を集めるために作品を作っていました。
ルーブルにもある「アムールとプシュケ」(エロスの接吻で目覚めるプシュケ)が有名な優美や甘美を叙情的に表現するバロックな作家でしたが、現代では古典主義へと回帰しようとした新古典主義の作家として知られています。
ヴェネツィアで息絶えたカノーヴァの遺体は、ポッサーニョにある外観的にはローマのパンテオンを思わせるギリシャ神殿のようなカノーヴァ寺院に収められ、心臓だけ、この記念碑に収めらているそうです。
ポッサーニョは冬はちょっと寒そうですが、カノーヴァが好きな人なら行ってみたらカノーヴァ美術館もあるから楽しめそうですね。

Tempio Canoviano
https://en.wikipedia.org/w/index.php?title=Tempio_Canoviano&oldid=751321632

Museum Gipsoteca Antonio Canova
https://www.museocanova.it
 

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これがティッツィアーノの墓です。

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