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2020年07月 ARCHIVES

2020年07月14日

米倉万美 作品展「バーロイヤルのママ 恋と月とせつない夜明け」百人一首より / 殻々工房


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8月2日(日)からはじまる米倉万美作品展「バーロイヤルのママ 恋と月とせつない夜明け」(百人一首より)のご案内です。

那須在住のイラストレーター 米倉万美さんの今回の展示のメインは「バーロイヤルのママ」と「百人一首」、テーマは「恋と月とせつない夜明け」です。

百人一首から「月」と「夜明け」に関わりのある12の和歌を選び、「バーロイヤルのママ」の恋心と重ねられ、静かに切なく描かれています。

使用されている厚みのある和紙の表情を活かしつつ、岩絵具によって描かれた作品12点。それぞれの歌と一緒に展示してありますので、ぜひ、和歌に込められた想いと、絵の中のママの切なさを交互にご鑑賞ください。


12作品の中のひとつ、今回ご案内に使わせていただいた作品は
「君がため 惜しからざりし 命さへ ながくもがなと 思ひけるかな」藤原義孝による歌です。

現代語訳では、君のためには惜しくなかった命でさえ、結ばれた今となっては、長く生きたいと思うようになった、となります。
逢瀬のあと、彼女のもとから帰った義孝が従者を待たせて彼女に贈った歌だそうです。

藤原義孝は974年に天然痘にかかり21歳の若さで亡くなっています。その若さを想えば、この歌は若さに溢れた湧き上がるような素直な恋心の表現に読めます。

米倉万美さんの絵は病院の待合室で待つママの姿。
誰かの付き添いで待っているのか、自分の診断結果を待っているのか。
その表情は暗く、不安を抱えたものに見え、時計の音が聞こえてきそうな静かな絵です。
義孝の歌の後に見れば、それは付き添いではなく自分の診察であることが分かります。
若き義孝の歌を、バーロイヤルのママの姿と併せて詠めば、歳を重ねたことにより複雑に深みが増した物語へと広がります。
読み手の解釈の仕方では、高齢化の現代では高齢者の恋に読めなくもないし…..ひょっとしたら恋の相手は犬かもしれない。

皆さん其々の解釈で、どうぞごゆっくりお楽しみください。

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