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殻々工房 karakarakobo ARCHIVES

2017年06月20日

米倉万美 作品展 / 殻々工房 と 那須温泉アートアパートメント

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今年から殻々工房での展示のこともブログに書いて行こうと思いながら、すでに終わってしまった米倉万美 展なのです。

......作品の受け渡しが完了していないから僕としてはまだ終わっていないのですが。
......とか言いながら、振り返りつつメモ。

地元 那須で、様々な事業所や文化的イベントに対して献身的な活動を続けておられるイラストレーターで、現在、私も参画させていただいている那須八幡の温泉旅館 絶景 一望閣での、温泉旅館とアーティストを繋ぐアートプロジェクト「那須温泉アートアパートメント」事務局の副代表としてご一緒させていただいております。

今回の個展の計画段階では、那須温泉アートアパートの冬季休館明けに合わせ、アートアパートのアピールも併せてイメージキャラクターとなっている「マーヤ」の展示を、という企みでした。ところが、一望閣の大規模なリニューアル工事計画(アートアパート以外に新しい宿泊棟とレストラン、ロビーが新設されます)がトントンと進み来年の春過ぎまで休館することとなり、現在は2018年グランドオープンに向けアートアパートも各アーティストがそれぞれに宿泊部屋の展示制作を進める運びとなりました。

話は逸れますが、
アートアパートのこれまでの活動ついて、どこかに写真を含めた記録を残しておかなければと思うので、あとで転載するにしても、このブログに書いておこうと思っています。

ということで、米倉万美 作品展です。
前回から5年ぶり、今回で4回目の殻々工房での個展です。

上の6枚の連作は、米倉万美さんの2017年版のカレンダーの原画です。

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こちらの壁面はマーヤではなく「チョコレートを食べる物語」シリーズ。
「赤ずきんちゃん」「北風と太陽」「ポチと軽トラ」「コンセント」「サンタクロースと怪獣ガガゴン」の全5話。一コマずつを額装して展示販売いたしました。
このシリーズは元々、チョコレートの包装紙を描いたシリーズだったそうなのですが、実現ならず、幻の包装紙となりました。

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人気のあった、赤ずきんちゃんです。

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マーヤは雑誌の連載からはじまり、万美さんの長姉にあたる藤原万耶さんが父上であり医師で文筆家でもあった故 見川鯛山さんの生活を小気味好く描いた著書「小さなマーヤの哀しい踊り」が単行本化され、そのイラストとして広く知られるようになりました。
万美さんの作品にはいくつかのシリーズがあります。
「軽トラとポチ」「バーロイヤルのママ」そしてこの「マーヤ」。
マーヤの芸歴はママより古いのです。(笑
マーヤは、ちょっと意地悪そうだけど、可愛らしさのなかに逞しさを秘めた女の子です。

アートアパートでは、マーヤを温泉旅館に住み着く座敷わらしのように見立ててキャラクター化させています。
面白味のないアートプロジェクトになりそうになった時には、きっとマーヤが道を正してくれることでしょう。

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一望閣の雨漏りのある宿泊棟に展示された「雨漏りキャッチャー・マーヤ」です。
雨漏りのする宿泊棟は今月から解体工事に入ります。
お役御免となったマーヤは殻々工房のデッキに「土砂降りキャッチャー・マーヤ」となって展示されました。

このあと、このマーヤたちは、アートアパートを応援して下さるお店に一つずつ展示されることになっています。
それについては、また今度。

2017年07月21日

齋藤千明 作品展 -Drums- / 殻々工房

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現在、殻々工房で開催中の齋藤千明 作品展 -Drums- です。

会期は7月28日まで、早いもので残りあと1週間となりました。

........相変わらずブログへのupが遅いね。笑

今回の齋藤千明さんの展示は、
烏山和紙に木版画の技法を用いた太鼓の作品と、壁面に貼り付けた版画のコラージュとを併せ、バーとギャラリーを併せた空間全体を意識したインスタレーションとも言える展示となっております。

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栃木県内の学校の卒業証書のほとんどが烏山和紙を使われているそうです。
今回使用されている和紙は、卒業証書として余ったものを漉き直したリサイクル和紙です。
卒業証書として刷られていた文字が、浮かび、霞み、層の中に散りばめられています。

烏をモチーフに刷られた木版画は、太鼓の枠に貼り合せられ張りを持ち、太鼓として成形されています。そして、これがまた実際に良い音を出すのです。
厚み、張り、サイズの違いで異なる音は、乾いたでんでん太鼓のような軽い音から、大きな低い和太鼓のような音まで様々です。

太鼓は昔から神事や言葉の伝達の代わりに使われてきました。
木版で刷られた烏や羽根は、太陽の使い、八咫烏とイメージが重なります。
太鼓の丸は天球をイメージさせ「月に兎、太陽に烏」、太陽に住むという烏が、祝いの言葉の音を運びます。

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壁に掛けられた状態だと見られませんが、太鼓の裏面にも木版画が刷られています。
作品によっては、光に翳すと表裏の風景と色彩が複雑に重なり、幻想的な風景を見ることができます。

ご購入いただいた作品は、
今回の展示のように壁掛けの展示をしていただくだけでなく、例えば、照明器具近くに設置して、昼は表面を、夜はライトで浮かび重なる表情をお楽しみいただくも一興です。

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壁に直接貼り付けられた木版画のコラージュです。

齋藤千明さんは版画家と呼ぶに相応しい優れた技術をお持ちなのですが、空間を利用したインスタレーションも魅力的な表現者です。

しかし版画とはそもそも量産できることがメリットの技術ではあります。

14世紀の木版画の誕生以降、15世紀の活版から版画とは同じものを幾つも作ることのできる印刷として技術が進みました。
さらに、16世紀のルネッサンス美術の影響から、木版画は複数の版を使うことによって陰影をつけられるようになり複雑な表現が可能になりました。その後、欧州美術の流れとしては木版画から銅版画へと移行してゆきます。
日本では17世紀からはじまった浮世絵があり、18世紀から19世紀にかけて大流行しました。肉筆画の浮世絵よりも、木版で刷られた安価な浮世絵が大衆に人気を博します。
木版は日本では馴染み深い技法の一つでもあります。

齋藤さんの今回の太鼓の作品は、浮世絵の時代と何ら変わらない伝統的な木版技法を使いながらも、其々が一点もののオリジナル作品です。もちろんインスターレションにおいては空間を変容させるもので厳密に言えば複製できない表現です。
日本の高い版画技術を、現代的に作品にして見せてくれている素晴らしい作家の一人だと思います。

齋藤さんは版画以外にも様々な素材でインスタレーションをされていて、那須温泉アートアパートメントでは縄によるインスタレーションもされています。
機会がありましたら、そちらもご覧いただけたら幸いです。

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2017年09月09日

上坂浩光天体写真展 -宇宙の中のわたしたち- / 殻々工房

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映画監督であり天体写真家でもある上坂浩光さんによる
天体写真展「宇宙の中のわたしたち」が殻々工房でスタートして1ヶ月が過ぎました。

8月はどうしても波に流されるように過ぎてしまうもので、
9月は流れから這いつくばって岸に上がり 足の裏の感触を確かめながら、
上坂さんのレンズを通した宇宙をゆっくりと鑑賞しながら過ごしたいと思っております。
↑大袈裟だね。

会期は9月27日(水)までです。

9月17日(日)の夜はカラカラにて上坂氏のお話を伺いながらのイベント上映があります。

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上坂浩光作品 "MUSICA"上映 料金1500円・全席自由(ワンドリンク付)
18:30開場
20:00イベントスタート

那須はとてもきれいに星が見える場所だと思っています。
真夜中に空を見上げれば、牧草地の上には手が届きそうなくらいに明るく星が瞬いています。
満月の時は影がはっきりと見えるくらいに明るい夜のなかを歩くことができます。
今回の作品は上坂さんが那須に作られたプライベートの天文台から撮影されたものです。
那須から見上げた空の先の宇宙を見ることが出来るのです。

今回のイベントで、ぜひ楽しみにしていただきたいのは、
上坂さんの解説を聞きながら作品を見たときの驚きなのです。
写真を見ただけでは想像できないスケールが宇宙にはあります。
こんなスケールの大きなものが僕らの見上げている空の先にあるのか、という、僕らが実際に目にしていないと存在は知っているけど実感がない宇宙を近くに感じていただけたら、この企画は大成功なのだと思っています。

トークイベントでは、コンパクトデジタルカメラでの撮影のコツや、超新星爆発の変化の様子をスライドで見せてくださるそうです。

開場からスタートまで長めに時間を取ってありますので、グラスを傾けながら作品をご覧いただき、リラックスして過ごしていただけたら幸いです。
上坂さんも開場からいらっしゃいますので、タイミングが合いましたら撮影や宇宙や星についての質問や歓談をお楽しみいただけたらと思っております。

当日、会場は椅子のみの上映メインの会場となりますのでフードのご注文はお受けできません。
予約制で小さなおつまみプレート(500円)の注文を承ります。(数に限りがあります...)
少しだけサンドイッチなどもご用意いたしますが(クーロンヌさんへの外注です)、お腹が空いている方は軽く何か召し上がってからのご来場をお勧めします。
よろしかったら麺亭コバさん経由でカラカラという那須の夜のフルコースもオススメです。(笑)
ワンドリンク付きは専用メニューから、2杯目からは通常のドリンクメニューからお選び下さい。

席は全席自由とさせていただきます。
おつまみプレートをご予約の場合でも、スタンディングになる可能性がありますので予めご了承ください。

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作品購入希望の方はお気軽にご相談ください。
今回は展示作品の販売ではなく、新たにプリント、額装、上坂氏のサインをした上でのお渡しとなります。
展示中の作品の中で一枚だけ、ハワイ島にある国立天文台のすばる望遠鏡によるアンドロメダ銀河の写真があります。この作品もご購入いただけることになりましたので、ご興味のお有りになる方はこの機会にぜひ。


さて、大切な告知はここまで。
ここからは いつも通りに話は逸れますので、お急ぎの方は流してください(笑

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2017年09月18日

上坂浩光天体写真展 特別上映「MUSICA」&トークイベント「宇宙の中のわたしたち」@殻々工房

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昨日は「宇宙の中の私たち」と題した上坂浩光天体写真展の特別上映&トークイベントを殻々工房にて行いました!

那須にとっては忙しい3連休の中日、
しかも台風接近の最中にも関わらずの満員御礼でございました。
飛んでくる小枝を交わしながらお越しくださった皆様、誠にありがとうございましたm(_ _)m

講師の上坂浩光さんのお話は、日常とは桁違いなスケールの宇宙を画像と動画を使った視覚的な解説も加え分かりやすくしてくださったもので、多忙なスケジュールの中の準備と 声をも涸らすトークイベントをしてくださったことに心から感謝しております。

また司会を務めてくださった那須温泉アートアパートメント代表でもある五十嵐順一さんをはじめ那須フィルムコミッションの方々には、受付やサンドイッチ売り、「お菓子はいりませんか〜、お菓子はいりませんか〜」とマッチ売りの少女のように ポップコーンなどのお菓子売りまでしていただき、感謝感激 飴 ポップコーンでございます。

11月11日から始まる今年の那須ショートフィルムフェスティバル2017では、
上映会場で岩下友希先生のヨガレッスンを受けながら上坂浩光監督作品の宇宙を見るという「ヨガ上映」が予定されているそうです。
会期が近づきましたら公式サイトをチェックの上、是非上映会場にも足をお運びください。
http://filmfest.nasu-fc.com

それでは、無事に終わりましたよ〜♪ のご報告まで。

2017年10月31日

室井弘道 木版画作品展『JAZZと紙音』/ 殻々工房

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黒磯出身の木版画家・室井弘道さんによる個展、本日無事に終了いたしました!
ご高覧下さった皆さま、誠にありがとうございました。

室井さんは50歳を過ぎてから木版画を勉強され、音楽や映画、小説などからインスピレーションを受けて精力的に制作されています。

カラカラのサンデーギャラリーによくお越しくださり、お人柄の良い方でお話させていただくようになり、ジャズやブルースを扱った作品が多いのでカラカラとの相性が良いかもしれない、ということで、ちょっと短い期間ではありますがやってみませんか?という運びとなりました。

これからは神奈川が生活の拠点となるそうです。
また 那須でも展示される機会があるそうですので、その時をお楽しみに(^ ^

2017年12月21日

12月22日(金)冬至はキャンドルナイト
「あかりろうそく+暗闇バール」そして!
 生牡蠣入荷で「闇ガキnight」です!

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冬至の夜は、電気を消してキャンドルの灯りのみでの「暗闇バール」。
今年は12月22日(金)です!

現在開催中の「あかりろうそく展」の あかりろうそく さんのご協力により、
いつもより明るい キャンドル多めの開催となります!

昨日、あかりろうそくのお二人が宇都宮から「キャンドルナイトに使って下さい」と、キャンドルいっぱい持ってきて下さいました。
なんて素敵な作家さんなのでしょう! ありがとうございます♡ブチュ


そして仕入れの都合により、22日は宮城県から生牡蠣が届きます!

前回、北海道直送の牡蠣メニューの際に、また生牡蠣を、との声を多く頂きましたので、
リクエストにお応えして、今回は宮城県直送の「新昌」が届きます!

22(金)、23(土)は生牡蠣あります!

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※この写真は前回の北海道産です。

ということで、
22日は暗闇バールで生牡蠣祭り....闇ガキnight!です♪

暗くって何食べてるんだか分からないかもしれませんが(笑

今回からお得な生牡蠣とお酒とのセットもご用意します。

生牡蠣2ピース+酒(純米大吟醸)で800円
生牡蠣2ピース+シャブリで900円
生牡蠣2ピース+モルト(ラフロイグ)で1000円

生牡蠣単品1ピース250円です。

※お酒の量は通常よりちょっとだけ少なめになっております。
※価格は今回の仕入れの場合のため、次回以降は牡蠣の仕入値により変動します。

また殻々工房のFacebookなどでまた直前告知いたしますが、まずは。

それでは みなさま、一年で いちばん長い夜をごゆっくりお過ごし下さい。

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明日は準備で きっと大忙しだわ(汗

天気予報では週末は晴れ、今のところ道路も乾いてます。
ホワイトクリスマスにはならないかもね。

2018年05月13日

麻生知子 武内明子 絵と陶の展覧会「カラカラ工房 パタパタ展」/ 殻々工房

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麻生知子さんと武内明子さんによる2人展は6月4日まで、残りあと1ヶ月を切りました。

連休中は慌ただしいなかではありましたが沢山の方にご高覧いただき誠にありがとうございました。
これからの時期は だーいたいのんびりとしたものですので(笑)どうぞ ごゆっくりしてらして下さい。

麻生知子 武内明子 絵と陶の展覧会「カラカラ工房 パタパタ展」について、全ての方にゆっくりとご案内できておりませんので、こちらで紹介させていただきます。


今回、殻々工房では初めての展示となるお二人です。
お二人は其々に作家活動をする傍らで、「ワタリドリ計画」というユニットを組み、作品の素材と展示場所を探し日本全国を飛んで行き展示をするアートプロジェクトを進めてらっしゃいます。
今年で結成10周年、岡本太郎賞にも入選され、これからも楽しみなユニットです。

今回は、ワタリドリ計画としてではなく、お二人のこれまでの作品を2人展という形で展示していただきました。


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麻生知子さんは、東京都出身で神奈川県在住。
今回は油彩と陶による作品の展示です。
日常の断片を描いた絵画作品は、簡素化されたシルエットがフラットに描かれることによって遠近感の無くなった不思議な世界の中で、絵の具やマチエールによる凹凸が 地と図の反転や画面のアクセントになり複雑さを加えています。
描かれているものは、どの作品もほのぼのとした日常を感じさせるものです。

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手前の作品は那須の北温泉。
会期のわりと早い時期に、遠方よりのお客様にご購入いただき既に無くなってしまっておりまして.....せめてこの写真で.......。

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陶の作品もどれも温かみと味わいのあるもので擽られっぱなしです。笑

  
 
 
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武内明子さんは、熊本県出身で東京都在住。
紙に水彩とミクストメディアの絵画を中心に、立体作品の展示もあります。

水彩作品にみる滲みと墨の表情が心地よく、ゆっくりと重ねられた絵筆が浮かび上がらせる形が確かなようでいて不確かな、それがまたリアルように思えてきます。

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板にミクストメディアで描かれた作品は、個人的に、見ていて飽きません。
パネルの上で絵の具は複雑に重ねられ、画面の彩度は色空間の断面で言えば中央のグレーに限りなく近づきながらも、硬い板の上を削られて現れた微かな色彩、弱く引っ掻かれた細い線、その上を覆うように塗り重ねられた不透明な色面とその下に残っている筆跡などが、次々に画面上に現れ、自分の視線はパネル上に繫留められました。
作家が板の上で感触を確かめるように手を加えていった時間の痕跡を追うことが、リアルなものを求める時間の追体験をしているような気持ちになりました。
 
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武内さんは実はアスリートでいらっしゃることにビックーリ。
先月は台湾を横断する246kmのマラソンを完走して3位入賞、昨年はアテネスパルタマラソン246kmも完走されたそうです。
すっごいね!
 
 

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お二人のユニット「ワタリドリ計画」としては、栃木県にはすでに飛来済みということで、今回はこちらの作品がワタリドリ計画な展示となっております。
白黒写真に一枚ずつ油絵の具で着彩された作品です。
店内でポストカードのように販売しておりますが、全て手による着彩でプリントではありません。1枚500円!
ポストカードとして高いかもしれないけど、作品としては安い!(笑

残りあとひと月となりましたが、機会がありましたらぜひご高覧ください(^ ^)/

2018年07月10日

まつい由美子 展「絵の中の海辺」/ 殻々工房

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現在、殻々工房で開催中の まつい由美子 展「絵の中の海辺」です。

まつい由美子さんは東京を中心に制作、展覧会活動をされている美術作家です。

展覧会も折り返し点を過ぎ、残りあとひと月足らずとなりました。

すっかり夏、絵の中の海辺に立ち、記憶のなかにある海の匂いを、那須高原に居ながらにして感じるような展示となっております。

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栃木県には海がありませんが、僕らの住む日本という小さな島は海に囲まれています。
車に乗って1日も走らないうちに、きっとどこかの海辺に着くでしょう。
この島に住んでいる多くの人が、一度は見たことがある海。
まつい由美子さんの今回の個展は「海」をテーマにした作品の展示となっております。

まついさんの絵は風景を描いているようで、その多くは人間を描いています。
自然と人間という大きさの対比を感じつつ気がつくのは、絵の中からこちらを見る女性、波際の家族、砂煙の中を歩く人、ガードレール横に止められた2台の車や、砂で作られたケーキなど。
車に乗って海に来た人たちは何をしに来たのか、どこから来たのか、
砂浜に残った砂のケーキは誰が作ったのか、その近くには誰がいたのか、今は何をしているのでしょう。

まついさんの絵は想像ではなく実際に見た「景色」を基に描かれています。
海辺で切り取った「景色」の瞬間を、アトリエで時間を掛けて作品にします。
作家にとっては海辺で過ごした時間よりも絵筆を持っている時間の方が長く、絵の中の海辺に佇む長い時間が作品となり残ります。
結果、絵は時間を切り取ったスナップショットとなり、時間は絵の中に収められた物語となります。
その絵は物語のはじまりかもしれないし、終わりかもしれない、今も過ぎてゆく時間の中にある1場面です。

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人の表情など細部が描かれないことで、人の存在だけが感じられます。
作家の作品に共通していることの1つに、極端な色や形による強調がないことがあります。
鑑賞者には自然なスナップショットのように目に入ってくるでしょう。少し引いた立ち位置から、鑑賞者と同じように客観的に切り取ったスナップショットのように。
その場面が、鑑賞者の記憶や発想とつながった時、鑑賞者の中にもストーリーが生まれ、絵の中に時間が生まれます。

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お酒の力も利用して、どうぞごゆっくりお楽しみください。笑


今回展示している「海」のシリーズは、キャンバスにアクリル絵具を中心とした作品9点です。


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今回の個展では透明水彩絵具による作品も4点展示されています。
何年か前から日常的に描かれているそうで、その中からの展示。
水彩の作品の展示は、今回が初めてだそうです。

写真の白いばらは1年前に殻々工房に来てくださった時に咲いていたバラだそうです。
そういえばこのバラ、今年は咲かなかったな。涙 ←ウソ泣キデス


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こちらは半透明な丸く平たい貝殻を使った小作品。
裏からアクリル絵具にて着彩、表にカリグラフィーが描かれています。
表面の文字以外の絵具の乗っていない部分は、光の加減でキラキラと貝殻らしい凹凸が見えます。こちらの作品をご購入の方はお持ち帰り可です。


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日曜の昼13時〜16時のサンデーギャラリーの時間中のみ、「海」シリーズ以外の「桜」や「白鳥」シリーズの作品も少しだけご覧頂けます。


会期は8月1日まで、残りあと3週間ちょいとなりました。
まだの方は、ぜひ一度ご高覧ください。

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