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TRAVEL/ GHENT 2016 ARCHIVES

2016年06月25日

ブリュッセルからブルージュへ、ゲントで途中下車。

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1週間滞在したブリュッセルから移動します。
ゲントで「神秘の子羊」と美術館も見たいのですが、一泊するのも面倒なので途中下車することにして、次の宿はブルージュへ。
ブルージュで何泊かしたら次はアントワープに向かいますが、その時もゲントで途中下車する予定です。
まずは、中央駅のチケット売り場で、ゲントで降りられるチケットを購入しました。

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ゲント到着。
オランダ語圏なので発音はヘントなんですね。
ちなみにブルージュはブルッへ。

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ヘントの駅には大きなスーツケースを入れられるコインロッカーがあります。
僕のスーツケースは結構大きいのですが、妻のスーツケースとリュックも一緒に入りました。
コインロッカーは他言語対応で日本語もあり。

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駅前からトラムに乗って中心地へ向かいます。

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ちょっと乗り過ごしてフランドル伯居城の近くで降りました。
この日は風が強くて寒かったです。

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カチッとして綺麗な街並みですね。

さて、聖バーフ大聖堂までお散歩しますか!(ホントは熱出してるしメチャクチャ寒くって歩きたくないけど・笑)

聖バーフ大聖堂の神秘の子羊

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ゲント(ヘント)での途中下車の目的は聖バーフ大聖堂にあるフーベルト・ファン・エイクとヤン・ファン・エイクの兄弟による「ヘントの祭壇画」を見るため。

今回のベルギーの目的はフランドル絵画とビール。
ブリュッセルではオルタ美術館が休館ということもあって王立美術館しか見られていませんのですっかりビールメインになってしまいましたが(笑

聖バーフ大聖堂はファサード改修工事中でしたが中は通常通り見られました。
撮影禁止なので、写真はありません......ということでwikipediaより拝借。

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ゲント出身のカール5世が洗礼を受けたこのバーフ大聖堂は12世紀から16世紀まで掛かって建てられた教会です。
何と言ってもこの12枚のパネルで構成されている多翼祭壇画の「ヘントの祭壇画」が有名で、その中央のパネルに描かれている「神秘の子羊」を観に多くの人が訪れます。
聖堂内の見学は無料ですが、祭壇画のみ有料で4ユーロ(音声ガイド付)です。
日本語音声もあるのでじっくり解説を聞きながら見ることができました。

12枚のうちの両端にある8枚が畳めるようになっていて裏面にも絵画が描かれています。
2012年からパネル毎に修復が行われていますので、2017年までは完全な形で見ることはできません。修復中のパネルは白黒で描かれたものが嵌められています。

余談ですが、この修復作業中の作品は駅から歩いていける距離にあるゲント美術館で見ることができます。
時間があれば1日に両方見てしまうのも可能です。
僕らはこの後ブルージュに行ってからアントワープに向かうので、この日はじっくりここで過ごし、アントワープに向かう途中でゲントで下車してゲント美術館に行くことにしました。

話を戻して祭壇画を今一度見直します。
フーベルトは1426年に死去とありますから、そのあと祭壇画が公開された1432年5月まではヤンが描いたことになります。初期フランドル派絵画を代表する作品でもあり代表する作家でもあるフーベルトですが、単独で描かれた作品は殆どなくこれはフーベルトを見るという意味でも貴重な一枚です。
またどこをフーベルトが描いて、どこがヤンが描いたのかというところも議論の分かれるところだそうです。

内部のパネル12枚、中央上部には中央にイエス、左にマリア、右にヨハネが描かれています。
マリアとヨハネはわかりますが、言わずもがな、イエスがっぽくない。
これがイエスなのかどうかは議論の分かれるところで、いかにも伝統的なデイシスですからまずはイエスと思いますが、この姿が三位一体とする説もあれば、あの冠はローマ教皇のものとする解釈もあるようです。
マリアの左には合唱の天使、ヨハネの右には奏楽の天使。
形式的に伝統的な形ですが、羽根が描かれていない天使たちで、また合唱する8人の天使はそれぞれに表情豊かで皆んそれぞれに違うパートを歌っているように見え、ある意味現代的なように見えますね。
上部、左右両端にはアダムとイブ。
ヤンによるこの絵画の公開が1432年、フィレンツェのブランカッチ礼拝堂にあるマザッチォのアダムとイブも1420年代というからほぼ同年代。感情を豊かに表したマザッチォに対し、静かに受け止めているような表情を描くエイク、そしてエイクの卓越した写実表現と言うものがこの祭壇画から見て取れますね。
そして何と言っても見入ってしまうのは中央下部の主題、神秘の子羊です。
ヨハネによる福音書に記述がある神の子羊の礼拝が描かれています。
この絵の細密描写がまた凄い。特に近景の植物や人物の描写の細かさはびっくり人間レベルじゃないですかね。
これは家に置いてずっと見ていても飽きないでしょう。いかにもヤンファンエイクと思われる精密な科学的写実表現です。
内容は祭壇の乗せられた凛々しい生贄の子羊と胸の傷から行儀良く流れる血と受け止める杯。
取り囲む14人の天使。それをまた取り囲む人々は幾つかの集団に分かれていて、これは旧約聖書と新約聖書との関係で位置が決められているのだそうです。聖書の内容となると僕にはまだちと分からない。。
子羊の手前には生命の噴水があり、そこにも集団があります。
僕らはこの集団越しに子羊の礼拝を眺めていることになり、まるでこの礼拝に参加した目撃者のような構図を持っている。なんということだ。

聖書の内容にもっと詳しければ、もっと深く楽しめるものなのでしょう。
ちょっと書き疲れちゃったし、今回はここまで。。

ちなみに、扉の裏面には受胎告知や制作依頼主のヨドクス夫妻の姿が描かれていました。

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2016年07月13日

ベルギービール研修という名の飲み歩き12/ゲントのビアカフェ

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神秘の子羊も見たし、お腹も空いたし、ゲントの街をブラブラ。
店の名前は忘れちゃったんだけど、この近くにあった半地下のビアカフェの店に前に、スープセット4ユーロといいう黒板があったので、そこに入ってみました。
iPhoneで撮ってたらGPSで後からでも分かったのにね。

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ここでもオンタップのビールを注文しました。
ケイゼルカーレルというルビーレッドビールです。英語ではチャールズクイント。
どうもゲントの辺りのビールといえばレッドビールなのだそうです。
ほのかなカラメルの香り。
スープセットは具のない野菜のスープと薄切りのパンがついただけのシンプルなもの。
でもこの日は風が強くてメチャクチャ寒かったので、とても嬉しかったです。

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トンゲロー。アビィビールです。
キレがあって飲みやすいビールでした。

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とても落ち着いた雰囲気だけど、時間帯によっては勢いのありそうな作りの店内。
いいお店でした。

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ごちそうさまでした。

ベルギーって自転車多いね。

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ベルギーではごつい実用車がたくさん走ってました。
いかにも石畳対応なごついタイヤを履いて。
おや? パンク修理の自転車屋さんかな?

2016年09月30日

ゲント美術館 Museum voor Schone Kunsten Gent

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ゲント駅のコインロッカーにスーツケースを詰め込んで、歩いてシテーデルパークへ。
公園を横切った先にゲント美術館Museum voor Schone Kunsten Gentとゲント市立現代美術館SMAK-Stedelijk Museum voor Actuele Kunst-があります。

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ブリュッセルからブルージュへ向かう時の途中下車は月曜日で休館だったので聖バーフ大聖堂にあるフーベルト・ファン・エイクとヤン・ファン・エイクの兄弟による「ヘントの祭壇画」の神秘の子羊を見に行きました。ブルージュから次はアントワープに向かいますが、その際にもゲントを通るので途中下車、今度はヘントの祭壇画を公開修復しているゲント(ヘント)美術館へ。

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エントランスから地下へ。
中はモダンですね。
壁面は作家による制作中みたいです。

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コインロッカーでダウンを脱いで身軽になっていざ!

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いきなりボッシュ「十字架を担うキリスト」、彼の最晩年の作品です。
エルサレムで捕らわれたキリストがユダヤ人から愚弄され、辱めや暴力を受ける「キリストの嘲弄」の一場面。力なくうつむきながらも穏やかなキリストの表情と、ユダヤ人を見事なまでに不気味で気持ち悪く描きました。
いやぁ、中世後期のフランドル絵画におけるヒエロニムス・ボッシュの、悪い夢見そうなほど現実を超越した表現ですね。

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初期フランドル派3大巨匠のひとり、ロヒール・ファン・デル・ウェイデン。
ウェイデンの代表作もここフランドルより国外に多くあるのではないでしょうか。
カンピンの弟子だったというウェイデンはカンピンの技術を習得し、追い越し、カンピンに影響を与えるくらいの技術を持ってして当時の北ヨーロッパでは最高の名声を得ていたといいます。
この絵はカーネーションの聖母、右手に一輪のカーネーションを持っています。
カーネーションはキリストの受難の予兆としてキリスト教絵画によく出てきますね。

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あれ?この美術館は思ったよりも見応えがありますよ。

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ちょこちょこっとルーベンスもあります。
この部屋はオランダのバロックという括りでした。ルーベンスの他にアンソニー・ヴァンダイク、ヤコブ・ヨルダーン、などなど。

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この他にも大きな「聖痕を受けるアッシジの聖フランチェスコ」がありました。
写真撮り忘れたけどアンソニー・ヴァンダイクのが記憶に残ってます。

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ブリューゲルの長男ピーテル・ブリューゲルによる「村の弁護士」、コピーです。
このあたりはルネッサンスとして紹介されていました。

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こちらも長男の。
ブリュッセルで同じ構図のものを見ましたが、僕レベルの鑑賞量だと正直パッと見たらどっちがどっちか分からないです。

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ベルギーの美術館を回っていたら、ブリューゲルに関してはオリジナルでもコピーでもどっちでもいいや、という気がしてきました。
長男ピーテルの職人としての技術の高さに、コピーだということなど気にせずに細部を見て楽しもう。

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ロマンチシズムとリアリズムという部屋。

この部屋の先に、祭壇画の修復室があるのですが、そこだけ撮影不可でした。
修復作業を見ているのは楽しいです。
バーク大聖堂では白黒パネルになっていた絵がここにありました。
大聖堂とセットで必見です。

見てる方は楽しいですけど、見られている方はやりにくくないのかな。

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子供たちの参加したワークショップの作品ですね。
とてもカワイイ!

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ゲント現代美術館 S.M.A.K., Museum of Contemporary Art, Ghent

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ゲント美術館と公園内の通りを挟んで向かい合った場所にあるゲント現代美術館 S.M.A.K., Museum of Contemporary Art, Ghent。
「S.M.A.K.」はオランダ語表記の Stedelijk Museum voor Actuele Kunst の頭文字から来ているのだそうだ。

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レセプションでチケットを買おうと思ったら、この日オープンしている部屋は一つだけだけどいいのか?と聞かれ、ゲント美術館をしっかり見て時間もそれなりだったので、じゃ、今回はいっか、とスルーしてしまいました。

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またの機会に。

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