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NIRO NOZAWA EXHIBITION

野沢二郎 個展 「 深緑のテクスチャー "Texture of Deep Forest" 」

2023年06月03日(土)ー 07月29日(土)


6月3日から野沢二郎 個展 「 深緑のテクスチャー "Texture of Deep Forest" 」がスタートしました。

油彩による抽象絵画を中心に描かれている現代美術作家、野沢二郎さんによるカラカラでは5年ぶりの個展となります。
東京、横浜、にて定期的に個展で新作を発表されている他、ご出身地の茨城県での展覧会にも多く参加され、30年以上活動を拝見しておりますが変わらぬ精力的な制作には驚かされます。



今回は0号から30号までの大小様々な油彩15点、水彩3点の展示となります。
搬入の際、今回の個展に対して展示しきれない量の新作をご用意くださり、その中からこの空間に合わせ旧作も含め選びながら展示させていただきました。新作を全てご覧いただきたいところでしたがスペースの問題もありますので、また何処かでの展示の機会にゆっくり拝見したいと思っています。




"見知らぬ森の中に入り込んだように、絵画の中で、イメージを手探りで追ってゆくような、そんな触覚的な感覚でいつも制作しています。"

と話す作家の絵画は、常にキャンバスの上で描きながら、考え、探し、現れた若しくは現れないものを捉えた結果なのですが、その絵画を見る私たちの目もまたキャンバスの上で、色、形、速さ、暗さ、美しさ、怖さをも、見つけ、探し、絵画と対話せずにはいられない力に視線と思考が動かされます。

野沢さんの油彩の作品には、写真や遠くから見ただけでは伝わり難いところがあって、それは鏡面のように滑らかな絵肌と、その下で混ざり合う絵具と繊細な色の揺らぎ、その滑らかな絵肌の上に動的に盛られた絵具のマチエールの力強さがあります。
ぜひ会場では近寄って細かなニュアンスを感じていただければ幸いです。



会期中、那須高原は深緑の季節です。
絵画の繊細な表情を捉えたい方には自然光の差す明るい時間帯がおすすめです。
窓の外の深緑と併せてお酒など飲みながらゆっくりと絵画との対話をお楽しみいただけたら幸いです。

テーブルでご飲食中のお客様の近くの作品は、離れた場所からご覧いただく場合がございます。ご了承ください。




このインターネットギャラリーでは展示作品の中の幾つかを会場で見る雰囲気で少しご案内したいと思います。

他にも気になった作品がありましたら、このページ下部の作品のサムネイルから詳細をクリックしていただければ、会期中限定で掲載しているリンクのショップページに移動して様々な角度から作品がご覧いただけ、作品のご購入も可能となっております。
遠方でご来場が難しい方や、夜の外出が難しい方などにご利用いただけたら幸いです。



こちらは作品「エディー」(部分)です。
油彩作品は全て、絵筆は使わずにゴムベラのようなスキージを使って描かれています。
凹凸のない滑らかな部分と、その上に大胆に盛られた絵具との物質的なコントラストに視覚が刺激されます。



作品「風の起源」(部分)。
絵具を何度も盛っては削ることを繰り返され水面のように滑らかな絵肌の下では、水草や魚、昆虫や石などが混在し、流れたり澱んだりもする水中の世界を想わせるくらいに複雑な絵具の流れの中に、キャンバスの上で混ぜ合わされたりスクラッチされたことで生じた偶然とも思える発色の良さを見つけ、絵筆では出せない表現であることを再確認させられます。




案内状に使用した作品「エコー」(部分)です。



野沢さんの油彩作品の中には抽象なのですが景色に見えるものがあります。
作品のタイトルから感じられますが自然からのインスピレーションが多い作者の、まだ見ぬ景色を絵画で追う姿勢の表れのような気もします。
こちらの作品は「夜半」です。



画面上部にあるグリーンのラインが深緑をイメージさせます。
スキージによって均された滑らかなグリーンが横方向に伸び揺らいています。少しブルーが見えるのも美しいです。
そのすぐ下に並行してダークブラウンのラインがあり、色の特性もあり黒に近いダークブラウンは距離が掴めない闇のように奥に深く沈みます。



画面下部ではホワイトとグリーンが混ざりスキージで均された滑らかな表面が水面を想わせ、丸く白いワンポイントが淀んだ沼に月が映っているような静けさを感じます。
ダークグリーンの絵具のタッチによるアクセントも効いています。



画面中央、グリーンのラインと沼の間をスピード感を持って置かれた存在感のあるタッチは、夜の闇の静寂を切り裂く何か(音だったり動物 だったり)のようで、妙な怖さがあります。

勿論これは個人的な感想で、あくまで1つの見方ですが、鑑賞者にあれこれ想像させる絵画としての魅力が野沢さんの抽象にはあります。
また本のように読み返すと印象が変わることが絵画にもあります。
7月末まである会期中、お時間合いましたら何度でもご覧いただけたら幸いです。



会期は7月29日(土)まで。
皆様のご来場並びにご高覧を心よりお待ちしております。



野沢二郎 個展「深緑のテクスチャー Texture of Deep Forest」

2023年6月3日(土)ー7月29日(土)

Open 16:00 - Close 23:00 L.o.22:00 木曜定休

※バーのためお席のご予約はお酒のご利用のお客様のみとさせていただいております。ご来店時に空席ありましたらカフェ的にお使いいただくことも可能です。ご理解いただけますと幸いです。


※作品のご売約はお電話、メール、SNSでも承っております。
※お住まいが近隣の場合は会期終了後の納品も可能です。お気軽にご相談ください。
※ショップサイトでのご購入には梱包料を含めた送料が必要となりますが、店頭受渡しをご選択いただくことも可能です。
※不明な点はお気軽にお問い合わせください。



【お問い合わせ】

Bar+Artgallery 殻々工房 カラカラコウボウ

phone: 0287781100 (pm16:00-23:00)
email: karakarafactory@gmail.com
sns:
facebook https://www.facebook.com/karakarakoubou
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instagram https://instagram.com/karakarakobo/













 

「 森の入り口 」

2023
W727 H910 D45

Oil on Canvas








「 風の道 」

2023
W530 H530 D40

Oil on Canvas







 

「 陽の近くに 」

2023
W730 H910 D45

Oil on Canvas








「 パンセ 」

2023
W410 H410 D37

Oil on Canvas







 

「 ピルエット 」

2022
W605 H728 D40

Oil on Canvas







「 エコー 」

2023
W605 H728 D45

Oil on Canvas






 

「 夜半 」

2023
W730 H910 D45

Oil on Canvas







「 グラスホッパー 」

2023
W300 H300 D35

Oil on Canvas






 

「 森のテクスチャー 」

2023
W607 H728 D40

Oil on Canvas







「 モカ 」

2023
W220 H278 D30

Oil on Canvas






 

「 風の起源 」

2022
W380 H455 D40

Oil on Camvas







「 エディー 」

2023
W380 H455 D40

Oil on Canvas







 

「 ベール / 紫 」

2022
W141 H181 D30

Oil on Canvas






 

「 ベール / 朱 」

2023
W141 H181 D30

Oil on Canvas






 

「 草のベール 」

2023
W141 H181 D30

Oil on Canvas




 






 

「 デュエット Ⅰ 」(額付き)

2023
W365 H441 D25

Watercolor on Paper






 

「 デュエット Ⅱ 」(額付き)

2023
W365 H441 D25

Watercolor on Paper






 

「 デュエット Ⅲ 」(額付き)

2023
W365 H441 D25

Watercolor on Paper














野沢二郎 (のざわにろう) 略歴



1957 茨城県に生まれる
1982 筑波大学大学院芸術研究科修了
1988 第3回ホルベイン・スカラシップ奨学生
2010 明星大学教育学部教授


1979 個展「風景いくたび」(筑波大学会館ギャラリー)以後,
コバヤシ画廊(銀座/2000年からほぼ毎年),
ギャラリー・パリ(横浜/2016年から隔年),
ギャラリーしえる(水戸/2009年から隔年2019年まで),
ほか、殻々工房(那須)、クリエイティブ・ハウス・アクアク(つくば)、ルナミ画廊(銀座)、ギャラリーなつか(銀座)、Shonandai MY Gallery(六本木)などで個展 


1996「いばらきバイアニュアル・ディアロゴス
1996 “現代性の条件”」(水戸芸術館現代美術ギャラリー)
1997「VOCA展'97〝現代美術の展望・新しい平面の作家たち“」(上野の森美術館)
1997「第8回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ(ダッカ),優秀賞
2004「第23回損保ジャパン美術財団選抜奨励展(損保ジャパン東郷青児美術館)
2007「六角堂展/野沢二郎・三つの絵画」(茨城大学五浦美術文化研究所・岡倉天心遺跡)
2011「第1回宮本三郎記念デッサン大賞展」(小松市立宮本三郎記念美術館)
2012「野沢二郎-花弁/近景の水-Flower Petals/Closeup Water View」(いわき市美術館)
2012「抽象と形態・何処までも顕れないもの」(DIC川村記念美術館,千葉)
2013「二年後。自然と芸術,そしてレクイエム」(茨城県近代美術館)
2014「水のシンフォニー/形なき水に形を,色なき水に色を」(茨城県天心記念五浦美術館)
2014「作家とアトリエ展/作品を生み出す身体,創造の場」(茨城県近代美術館)
2018「野沢二郎展/水・大気・絵画の表情」(常陽藝文センター,水戸)
2020「6つの個展」(茨城県近代美術館)  


2023年6月現在