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KYOUICHI NAGASE EXHIBITION

永瀬恭一 個展 「記号の森/象徴の森/主題の森」 

2024年10月6日(日)ー11月30日(土)


10月6日(日)から、画家の永瀬恭一さんによる殻々工房では5回目となる個展「記号の森/象徴の森/主題の森」がスタートしました。

キャンバスに描かれた絵画14点、という点では共通しているのですが、対象や表現方法が異なる作品が同列に展示されているので、複数の作家による展示のように見えなくもありません。
また、カラカラで初めて個展していただいた 2006年の永瀬さんの展示 と今回の展示を比べても別人のようでもあるのですが、毎回、絵画というものと真摯に向き合ってご自身を再構築されている画家の姿を見ているような気にもさせられています。


今回は、油絵具をメインにした絵画9点と、クレヨンをメインにした絵画5点。
2014年の個展での「画集を開きアトリエの床に置いて見て描く(画集を見て描く)」シリーズ とは異なる展開ではあるのですが、私個人的にどこか共通点を感じています。
永瀬さんの作品を何度かカラカラで見てくださった方々とはそういった永瀬さんの作品の展開も一緒に見て楽んでいられたら嬉しいなと思う今日この頃です。



このインターネットギャラリーでは展覧会期間中限定でショップページから作品のご購入も可能です。
ショップページでは作品を個別に拡大した写真もご覧いただけます。
このページの下部にある其々の作品のリンク先からご覧ください。
遠方でご来場の難しい方などにもご利用いただけたら幸いです。

ただ、会場の照明の性質上、写真と実物にそれなりの違いがあります。
ご購入をご検討の場合は、SNSやメールにてご連絡いただければ動画をお送りしますので遠慮なくご連絡ください。





それでは幾つかの作品を会場で見ながらお喋りする感じでご紹介したいと思います。


こちらの作品は「キリンと象と」(F10 キャンバスに油彩、クレヨン)です。

先の文中で、2014年の「画集を見て描くシリーズ」と共通している部分があるように感じられると書きましたが、それは絵の対象になっていた画集の多くが印象派だったことにあると思います。
19世紀近代絵画の中で特に印象派が描いたものは、静物画、風景画、肖像画だったと思います。
今回の展示を見ると、殆どがその典型に当て嵌められるところから、作家は何らかの目的のためにその形式に立ち戻り、表現が饒舌にならないようなクレヨンといった稚拙さのある画材も使って制作しているように思えてくるのです。

この作品の静物から臭う印象派感と、明かに現代であることを示すキリンと象と、そして椅子、うまくハマっている一枚だと思っています。




キャンバスの地を残したコントラストも きわめて意図的です。




裏キャンの効果が良いですね




タイトルからしてリンゴがメインでないことは分かりますが、この椅子も良い仕事しています。





こちらの作品は「青い馬とおかしな川」(F10 キャンバスにクレヨン)。風景画です。

永瀬さんの絵に描かれている風景や静物、人物は殆ど実際のものを見て(記録して)描いたもので、そこに少しずつアレンジが加えられています。
馬は実際にはいなかったのだそうですが.........話は逸れますが、先日、カラカラの前の道路を馬が走っていました。なかなか大きくて少し怖かったです。近所の牧場から逃げ出したようで直ぐに連れ戻されましたが、ドアを開けたら馬がいた、まぁ、那須では無い話じゃありません。




キャンバスの上での色の重なりや塗り潰しが少なくキャンバスの地が残されています。
それが永瀬さんの作品の発色の良さなのかもしれません。




油彩画にも共通して、キャンバスの上で絵具やクレヨンを混ぜるような格闘した形跡が見られない分、描かないで考えている時間が長いのかもしれません。





こちらの作品は「夏」(F10 キャンバスに油彩、鉛筆)です。肖像画です。

ポートレートのモデルは永瀬さんのご子息です。
作品を見て大きくなったなぁ、と思います。
夏にマスクしているんですから、もはやコロナの記憶ですね




今回の展示では、風景や静物と人物との絡み方にも新しい展開があるように思えます。
こちらの作品は「川辺に」(M8 キャンバスに油彩、鉛筆)ですが、背景は明かに平面的に抽象化され装飾的でもあります。





こちらは「流れ込む、流れ出す」(M8 キャンバスに油彩、鉛筆)です。
構図の面白さもありますが風景の遠景が具体的に描かれているのに対して近景が平面的に抽象化されていますね。




こちらは今回のご案内に使われた作品「夢」(F4 キャンバスに油彩、クレヨン)です。
印象派感のあるテーブルの上の静物の奥で眠る男の子の組み合わされ方が非日常的で、これは意図的に組み合わされたのであろうと考えると、前回までの個展にはあまり見なかったタイプで軽いデペイズマンなのかシンボリズムなものに展開していくのか楽しみなところです。
そう思って見れば、作品「楽園」にも似た非日常感と絵画的な懐かしさのようなものも感じます。




こちらの作品は「なかなかおきない」(F10 キャンバスに油彩、クレヨン)です。
セーターなのかプリントのスウェットやフリースなのか、着ているものからベッドではなくてコタツなのでしょう。
マットの模様と服の模様に鳥がいて、掛け布団にも鳥。
しかも布団の鳥は切り絵のような鳥をPCでコピペしたような貼り付けられ方なところにじわじわ来ています。(←このじわじわって何だ?というのを考えるのをこの展示期間の自分へのお題にしようと思っています)










会期は11月30日(土)まで。

永瀬さんが寄稿されている「組立」「ART TRACE PRESS」や「月刊アートコレクターズ」も置いておきますので、ご興味がおありでしたらぜひご一読ください。

皆様のご来場並びにご高覧を心よりお待ちしております。















永瀬恭一 個展 「記号の森/象徴の森/主題の森」 

2024年10月6日(日)ー11月30日(土)

Open 16:00 - Close 23:00 L.o.22:00 木曜定休


※バーのためお席のご予約はお酒のご利用のお客様のみとさせていただいております。ご来店時に空席ありましたらカフェ的にお使いいただくことも可能ですがお食事目的のご利用はご遠慮いただいております。ご理解いただけますと幸いです。

※作品のご売約はお電話、メール、SNSでも承っております。
※お住まいが近隣の場合は会期終了後の納品も可能です。お気軽にご相談ください。
※ショップサイトでのご購入には梱包料を含めた送料が必要となりますが、店頭受渡しをご選択いただくことも可能です。
※不明な点はお気軽にお問い合わせください。






【お問い合わせ】

Bar+Artgallery 殻々工房 カラカラコウボウ

phone: 0287781100 (pm16:00-23:00)
email: karakarafactory@gmail.com
sns:
facebook https://www.facebook.com/karakarakoubou
twitter https://twitter.com/karakarakobo
instagram https://instagram.com/karakarakobo/
















 

「星の音」


2024
w380 h297mm d30mm

キャンバスに油彩、クレヨン


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「夢」


F4 2024
w242mm h333mm d20mm

キャンバスに油彩、クレヨン


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「秋が終わる」


F4 2024
w242mm h333mm d20mm

キャンバスにクレヨン


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「かわった服」


P6 2024
w273mm h410mm d20mm

キャンバスに油彩、クレヨン


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「川辺に」


M8 2024
w273mm h455mm d20mm

キャンバスに油彩、鉛筆


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「つげる」


2024
w510 h378mm d30mm

キャンバスにクレヨン


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「楽園」


F12 2024
w606mm h500mm d20mm

キャンバスに油彩、クレヨン


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「青い馬とおかしな川」


F10 2024
w455mm h530mm d20mm

キャンバスにクレヨン


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「流れ込む、流れ出す」


M8 2023
w273mm h455mm d20mm

キャンバスに油彩、鉛筆


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「森」


F10 2024
w455mm h530mm d20mm

キャンバスにクレヨン


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「夏」


F10 2024
w455mm h530mm d20mm

キャンバスに油彩、鉛筆 


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「つげる 2」


F4 2024
w242mm h333mm d20mm

キャンバスにクレヨン


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「なかなかおきない」


F10 2024
w455mm h530mm d20mm

キャンバスに油彩、クレヨン


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「キリンと象と」


F10 2024
w455mm h530mm d20mm

キャンバスに油彩、クレヨン


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永瀬恭一 Kyouichi Nagase


1969 年 埼玉県さいたま市生まれ
1993 年 東京造形大学造形学部Ⅰ類(絵画)卒業


個展

2007、2009、2014、 2019、2024 年 殻々工房(那須)
2021 年 M-Gallery(川口)
2015 年 6 号線(曳船)
2004、2006 年 masuii R.D.R Gallery(川口)
1999、2002、2004 年􀀀Gallery ART SPACE(外苑前)


グループ展

1997 年「ミックスジャムは見た」古河街角美術館(~ 2024 年)
2017 年「エピクロスの空き地」(第6 回都美セレクション グループ展)東京都美術館ギャラリーB
2016 年「那須温泉アートアパートメント」一望閣
2015 年「When I close my eyes 目を閉じて作品を作る」コスモスレーンスタジオアンドギャラリー
2014 年「組立- 転回」上田和彦× 永瀬恭一(ゲスト:中山雄一郎)東京造形大学CS-LAB
2012 年「組立」有原友一× 高木秀典× 永瀬恭一HIGURE 17-15 cas
2010 年「組立」境澤邦泰× 田中秀和× 永瀬恭一× 松浦寿夫 人形町vision's
2009 年「組立」上田和彦× 永瀬恭一 photographers' gallery
2008 年「組立」永瀬恭一× 古谷利裕 masuii R.D.R gallery
2007 年「うきぐも」川口市民ギャラリーアトリア+masuii R.D.R gallery
2003 年「Collaborators vol.14 形景」Gallery ART SPACE
2001 年「MONOBIT/MONOBIT Workshop(e)」 千鳥町MONOBIT
1997、1999、2000 年「日本版画協会展」東京都美術館


シンポジウム

2014 年「オルタナティブ・アート・セオリーに向けて」東京造形大学CS-LAB
2013 年「今、ここにある美術批評(誌)」ART TRACE GALLERY
2013 年「「終わらない美術教育」東京造形大学CS-LAB
2012 年「20 世紀末・日本の美術」MEGUMI OGITA GALLERY+ 横浜美術館


受賞

2009 年川口市芸術奨励賞


共著

『20 世紀末・日本の美術』ART DIVER
『成田克彦―「もの派」の残り火と絵画への希求』東京造形大学現代造形創造センター
『土瀝青 場所が揺らす映画』トポフィル


寄稿

アートコレクターズ、美術の窓、ART TRACE PRESS 他   


2024年10月現在