那珂川に沿うように走る細い道沿いに小さな野菜直売所がある。その平積みされた台の上には、野菜はもちろん、たまに漬け物や花の苗も並ぶことがある。白い彼岸花だ。近づいて茎に巻かれた紙を見ると"リコリス"と書かれていた。リコリスって、あのリコリスキャンディのリコリスだろうか。家にあるビニールコードのような食べ掛けのリコリスキャンディが頭を過った。花の臭いを嗅いでみたが、あのキャンディを思わせる香りはこの花にはない。彼岸花そっくりだけど....リコリス....白くて美しい花だ。苗を2つ買って家に帰った。
ネットで検索すると直ぐに疑問は晴れた。この花とリコリスキャンディーは無関係、この花はやっぱり彼岸花だった。彼岸花は、学名"Lycoris radiata"といいヒガンバナ属のことを"Lycoris"(リコリス)と呼ぶらしい。リコリスキャンディに入っているリコリスは甘草のことで"Licorice"(リコリス)と書く。リコリスキャンディは甘草の根とアニスオイルで味付けされた菓子なんだそうだ。
危ないところだった。リコリスキャンディってリコリスの根から出来てるんだって、なんて聞いて、へぇ〜、どれどれ、なんてヒガンバナの毒性のある部分を齧ったとしたら......何せ、直売所で買った時の僕は、この根っこを食べてみるつもりでいたのだから。
これはリコリス違い、甘草ではなく彼岸花の根っこなのだ。
それにしても、この花は美しい。たぶん園芸品種として作られたものなんだろうけど。
wikiによれば彼岸花の"Lycoris"は、"ギリシャ神話の女神、海の精、ネレイドの一人、Lycoriasの名前からとられたもの"
なのだそうだ。
日本では不吉な別名を沢山もつ彼岸花だけど、仏教でいう曼珠沙華は「白くやわらかな花」なのだそうだから、この花を見れば腑に落ちる。
Comment(2)
なるほど、これですか。
白くちゃあ曼珠沙華らしくないんじゃかろうかなんて思いながらこのページに飛んできたたのですが、写真を見るとたしかにきれいですね。背景が緑だからなおさらなのでしょう。ぼくが以前にエントリーしたときに、コメントに付け加えましたが、韓国では「相思花」というのだそうです。葉と花は時期が一緒になることがないので、それを男女のすれ違いに重ねたのだそうです。
Author→ 玉井一匡 @ 2008年09月29日 08:16
@ 2008年09月29日 08:16
玉井さん、コメントありがとうございます。
僕は玉井さんの彼岸花のエントリーが大好きで、あの記事の彼岸花はやっぱり赤くなくっちゃいけないと思いました。白いとちょっとユリっぽい、苦汁を飲まされてないお気楽な感じがします。
Author→ OIL @ 2008年09月29日 14:04
@ 2008年09月29日 14:04