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3年振りの鱒釣り

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2011年3月の大きな地震のあとの原発の事故以降、何となく川に入る気になれないでいたし、諸々の不安から仕事も自分たちなりにがんばっちゃってるので体力的な余裕も減り、那珂川の年券も買わずに2年半が過ぎた。
先日、友人の誘いでウェットフライのタイイングレッスンに参加した。毛鉤を巻くのも久しぶり。タイイングセットの前に座ることすらしなくなっていたから、これはいい機会なんじゃないかと思った。久しぶりにウェーダーを履いて少しだけ鬼怒川にも入った。毛鉤は付けなかったけど、やっぱりロッドを振って流れにラインを乗せるのは気持ちいいものだった。

休日、だけど少しだけ仕事。
午後、デッキに出ると心地好い風が吹いていた。那須の風はもう秋の風。これから年券買う気もないし、近くの管理釣り場に行こう。
長いこと来ないうちに池が1つ増えていた。地震のあとはオジさんも何かと大変だったろうに元気そうだし釣り客も多くて何よりだった。自分の名前を名乗ったこともないし、込み入った話をしたこともないけど、ご無沙汰しちゃってすみません、って言ったら何だかすっきりした。
陽が少し傾いた夕方3時過ぎ。2時間券を買った。
管理釣り場は、準備が楽でいい。それに川じゃありえないくらい良く釣れる。
5匹まで持ち帰れるというので、夜の酒の肴に4匹釣って帰ろうと思った。
うちの奥さんと2人で2匹ずつ食べよう。あんまり大きいのより料理しやすいサイズがいいな。
流れ込みの近くの水面にフライを投げた。すぐに1匹目が釣れた。30センチ。小さ過ぎず、いい感じのニジマスだ。そのままあっという間に4匹、みんな30センチちょっとのニジマスだった。
夜の食材は確保したから、そろそろ大物を狙ってみよう。
大きくて沈むフライに付け替えて池の底を探ってみた。
それまでの忙しさがなくなって急に静かになると同時に周りの音が聞こえてきた。
ギャーギャーという空を裂くような鳥の声。
大きな鳥がゆったりと水平に飛んでいた。雉かと思ったら黒鷺だった。池の周りの林の1番高い木の上に止まり、こちらを見ているようだった。きっと僕を見ているんじゃない。池の中の魚を見ているんだろう。
ロッドの先に赤とんぼがとまる。
口の尖った蛙が池に飛び込む。
風の音、水の音。草の匂い。
釣りは釣れない時ほど辺りが見えておもしろい。さっきまでの自分はがっついていたようで少し下品だったかな、と振り返る。でも1匹も釣れてなかったらそんなことも思わないだろうけど。

とは言っても、あまりに魚の反応がないとつまらない。毛鉤を少し小さいのに替えて、流れ込みの上流から沈ませ魚が居そうなところに送り込む。コツンという当たりはあるけど、上手く乗らない。
ホントはもう釣らなくてもいいと思っていたのに悔しくなって、また毛鉤を替えて流してみる。コツンのあとにググッとした手応え。これは大きいと思いながら遣り取りしていたら小さいニジマスが水面をジャンプしたと同時に針が外れた。
毛鉤を流しているときの想像じゃ、あの3倍はあるやつの鼻先に送り込んだつもりだったんだけど。ま、いいか、今日はこの辺りで。

温泉に寄ってから家に帰った。
2匹は塩焼きに。1匹はお腹に庭から取ってきたローズマリーとオレガノをたっぷり詰めて、輪切りしたレモンをのせオリーブオイルをかけてオーブン焼きに。もう1匹は3枚に下ろして皮をむき、たっぷりのバターと香草でムニエルにした。
よく冷えた白ワインのミュスカデをグラスに注ぎ、味見をしてから2、3コ氷を入れてゴクゴク飲んだ。

よく分からないけど、皮と骨はキレイに残した。内蔵は下処理の段でキレイにしてある。そんなこと、地震の前には考えもしなかったことで、僕は少なからず、前の僕とは違っていると思った。
川はもうすぐ禁漁に入る。来年は川にも入ろう。

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2013年08月31日 23:08に投稿されたエントリーのページです。

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