見終わった時、じんわりと胸の奥が温まっていた。それから僕はチェットベイカーのマイファニーバレンタインが聞きたくなったし、マイファニーバレンタインを聞くと、この映画の事を思い出した。
物語はエジプトのアレクサンドリア警察音楽隊がイスラエルの空港に降り立った所からはじまる。何かの手違いで空港に迎えが来ない。解散の噂もあるその音楽隊は自力で目的地に向かおうとするが、言葉が解らないから一文字違いの全く違う場所に行ってしまう。ホテルもないその異境(異教)の地で、地元の食堂の女主人とそこの常連客の世話になりながら一夜を過ごすワンナイトストーリーだ。
穏やかでハートウォーミングな映画ではあるけれど、エジプトとイスラエルといえば、アラブとユダヤの関係がある。それはこの物語の大切な部分だ。イスラムとユダヤという宗教的な違いと、あまりに長い間戦い続けた(ている)という事実による両者の確執を、政治的、宗教的、経済的な力ではなく、文学的に融和させているように思う。地味なユーモアにも溢れているし、登場人物も魅力的で、いい映画だったな、と思った。
Comment(2)
なんか、よさそうな映画ですね。
それにしても、オフサイドガールズといいい、これといい、マイナーで面白そうなやつをよく発見しますね。
Author→ 玉井一匡 @ 2008年12月18日 17:18
@ 2008年12月18日 17:18
玉井さん、こんばんは。
レンタル屋の棚でたまたま手にして見たのですが、実は、この映画は何となく玉井さんにお薦めしたいと思っていた映画でした(^_^)
Author→ OIL @ 2008年12月18日 22:33
@ 2008年12月18日 22:33