たぶん、この場所から塔を見るために作られた作品だと思う。
単なる通り道として抜ける人もいるくらい人でごった返すことのないこの隙間の写真を撮ろうとカメラを構えてみた。
人が居ない写真も一枚撮っておこうかな、と暫く待ってみる。
でもいつも一組だけはこの場所に立ち止まっている。
長いことお喋りしていたりもする。
もう一組がやって来ると、さっきまで居た一組が去っていく。その繰り返し。
だんだんその繰り返しが面白くなってきた。
一組だけが立ち止まり、塔を見て、話をしたり写真を撮ったりする。
一組分の心地良さがこの隙間にはあるんだな。