トーキョーワンダーサイト本郷で"立って歩く・小林達也 作品展"を見てきました。2年前の個展には行きそびれちゃったのでVOCA展以来。作品数は多いし、充実した内容でした。壁一面を埋める小作品の数々を見ていたら、以前、古河の殻々工房で作品を展示してもらった時のことを思い出した。もう8年くらい前のことになるんだろうか。今回、DMにもなっている大きな作品のような作風はまだなく、クネクネと単調に線を絡めたり、それぞれに技術的繋がりのない作品達の、内向的で協調性を求めないリズムは彼の個性なのだと思った。それより10年前、僕は彼より少し歳をとっているが高校の美術室で彼と同じ時間を過ごした。正統派のテクニシャンという印象がある。大学在学時の文化祭にも作品を見に行ったことがあったけど、そこでは詩的で美しい油絵を見た。その後、彼の表現は抽象化し、より内側に、より感覚的に美術と対し始めるわけだけど、その姿勢は、今の絵のなかの筆跡と似て、自分の速度で、自分の感覚を大切に、自分のリズムで着実に進んでいるように思える。大きな作品の密度の高いものは見ていてとても心地良かった。
そういえば、彼には随分会ってないけど、こうして作品を目の前にしていると、とりあえず、会わなくってもいいな...........くらいに、彼に会った気になるのは不思議なことだ。
この展示は7月26日(日)までです。