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白い壁と乾燥バナナ

20090731300.jpgいつもより少しだけ早く目が覚めた。
きのうは定休日で店は休みだったけど、作品の搬出があったから日中は半日仕事場で過ごしたんだっけ。
展示跡の穴のパテ埋めは終わらせたけど、ペンキ塗りがまだだからやり掛けが気になって早く目が覚めちゃったのかもしれない。朝飯前の腹ごなしにちょいとペンキ塗りでもやってくるかな。
朝の店内は夜の冷気が残っているから外気よりも涼しくて気持ちが良い。
快調に2面ある壁の1面を塗り終わった辺りで、だんだん腹が減ってきた。
手にあるペンキは水性、微かに甘い香りがする。
ひょっとしたら、このペンキ、旨かったりするのかなぁ。

20090731301.jpg
なーんて、舐めるわけないでしょ。
だけど、何だか乾燥バナナの香りに似ているなぁ。真っ白な壁の何処か、視界ギリギリの辺りなのか、脳裏なのか、バナナの薄黄色が映っているような感じまでしてきた。
そういえば小学生の頃、絵の具を舐めちゃう奴がいたのを思い出した。
もちろん舐めちゃう程度で飲んだりしない。舌の上に広がった絵の具を周りに見せながら「あ、白のほうがうまい!」なんて言っていた。確か、黄色を舐めた時は、ほんのりバナナ味だ、って言っていた気がする。みんなでバカだ、バカだ、と笑って騒いで、奴は、担任の女性教員に、情けなさそうな顔されながら怒られてたっけ。
美大受験の頃、彫塑の課題に絵の具の入ったチューブを渡された事があった。
粘土を使って6時間でその絵具チューブを造ったわけだけど、講評のとき講師が「このチューブを破いた奴いるか」を挙手を求めた。
確か2人が手を挙げた。
講師は2、3度頷いてから「チューブを破いてこの鉛の厚みや中身の質感を知っている奴のほうが良い作品を造れるんだ」と、言っていた。
僕はその時も思い出したんだ。あいつがいたら舐めてたな。
壁のペンキ塗りみたいな単純作業をしていると、意味のない記憶と妄想が繰り返しに浮かび上がってくる。
あ、また乾燥バナナだ。
いかん、とりあえず今は腹が減り過ぎたようだ。
作業はまた朝飯のあとで。

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2009年08月01日 23:48に投稿されたエントリーのページです。

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