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クリストとジャンヌ=クロード展/21_21 DESIGN SIGHT

20100218500.jpg六本木の21_21 DESIGN SIGHTクリストとジャンヌ=クロード展を見て来ました。
昨年11月18日に他界されたジャンヌ=クロードと、クリストが、夫婦でこれまで行なってきたプロジェクトとそのドローイングの展示、そしてドキュメンタリー映画が上映されています。
ドキュメンタリー映画は日替わりで、僕が行ったときは「アンブレラ」が上映されていました。ちょっと見るつもりが引き込まれてしまって最後まで見てしまった(^_^;
ご存知「アンブレラ・プロジェクト」は、アメリカのカリフォルニア州と日本の茨城県常陸太田市から里美村(現・常陸太田市)にかけて同時に、直径8m高さ6mの大きな傘を無数に立て、開かせるプロジェクトだ。カリフォルニアの砂漠地帯には1760本の黄色い傘、茨城の山間部の水田地帯には1340本の青い傘を数十キロにわたり点在させ花のように開かせた。
このプロジェクトは、3週間という短い展示期間のために、構想から許可、資金繰りも含めて15年もの準備期間を掛けている。クリスト夫妻は想像の中で描いた美しい眺めを実際に見たいがため、ただそれだけの為に自分達の時間と財産を注ぎ込んできたという。ドローイングを幾つも描き、それを売ってお金にしてきた。ドローイング作品を購入する側は、もちろんその作品自体魅力的なのだけど、プロジェクトに対する寄附という考えも大きかったのだと思う。ボランティアを含めた沢山の協力者がいてこそのプロジェクトではあるが、この作品はクリスト、そしてジャンヌ=クロードが純粋にそれを見たい、と切望するエネルギーから成り立っていて、クリスト自身「この作品は自分が純粋に見たいから作るものであって作品には意味はない、誰のためのものでもない、クリストによるクリストのためのものだ」という事を言っている。その傘が開こうという時のクリストの自己中心的な言動も気にならないくらいの説得力が彼らの活動にはあるように思った。15年という期間に比べたら傘が開かれるんは夢のように一瞬の出来事だ。
プロジェクトは天候に翻弄され、カリフォルニアでは傘が倒れ観客の1名が死亡。クリストは急遽展示を終了させ、日本では撤去中に落雷により1名が死亡した。とても考えさせられることの多い結果となった。

映画を観終わり、展示室に移動すると、目の前にさっき映像の中にいた人が.......あ!クリストだ!
なんという、ラッキー♪
この日は午後にセミナーとサイン会があるようで、この時は作品の前でインタビューを受けながらの撮影のようでした。

映像のなかでクリストはジャンヌ=クロードの体を気遣うことも忘れなかった。真にプロジェクトの苦しみと喜びを共感出来るただ一人のパートナーだったのだと思う。
ジャンヌ=クロード亡き今、彼女と構想していたプロジェクトを完成させるべく、クリストは2つのプロジェクトを進めている。アラブ首長国連邦でドラム缶を巨大に積み上げるプロジェクト「マスタバ」と、アメリカ・コロラド州アーカンザス川の上を布で覆うプロジェクト「オーバー・ザ・リバー」だ。
「アンブレラ」の時、僕は大学浪人で毎日デッサンと絵の具に塗れていて、プロジェクトを共有する事が出来なかった。アラブとコロラドじゃぁ、ちょっとやそっとじゃ行けそうにないけど、布で覆われたアーカンザス川で、布の下をカヤックで下ったり出来たらどんなに楽しいだろうと想う。
ぜひとも、プロジェクトの実現を祈っています。

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Comment(2)

AKi:

「アンブレラ・プロジェクト」は1991年でしたね。
おなじみの iGa さん、Mat っあんと出かけたもんでありました。

http://landship.sub.jp/stocktaking/archives/000196.html

AKiさん、どうもです。
いいなぁ、うらやましいです。
当時、僕は車も運転出来ないし茨城県民だったのに里美村も分からないし....教室に貼ってあった水戸芸のポスターだけ良く覚えています(^^;

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2010年02月21日 09:41に投稿されたエントリーのページです。

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