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オランダの光

20070907001.jpgオランダの光

2003年・オランダ映画
製作・監督/ピーターリム・デ・クローン
脚本/マールテン・デ・クローン+ヘリット・ウィレムス
撮影監督/パウル・ファン・デン・ボス
編集/アンドレ・デ・ヨング+シール・ミュラー
出演/ジェームズ・タレル(米現代美術家)他

学生時代の記憶が正しければ、ルネッサンス以前のヨーロッパでは自然を愛でて風景画を描くという感覚はなく、森の中の暗闇には悪魔が棲むとして木を切り光を入れ、どんどん森を開き街を作っていたような。イタリアでルネッンスが起こり背景としての自然が描かれるようになり、その絵画の流れがドイツやフランスに影響を与えたのが16世紀、そして17世紀のオランダ絵画から初めて"風景画"が美術史に登場する訳で、"Landscape"の語源であるドイツ語の"Landschaft"には当時、風景という意味は含まれていなく、オランダ語の"Landschap"(ランスハップ)が絵画用語として"風景"という意味を持たせたのが、風景画のはじまりなことからも頷けること。
なぜ、オランダ人(フランドル)の画家はそれまでの人物中心の絵画から風景に目を向けたのか。その絵画は豊かな光に満ちている。それは19世紀に入り"オランダの光"伝説として世界に広まり、ヨーロッパやアメリカの画家達はそのフランドル絵画に描かれた光を求めてオランダの地を訪れたのだそうだ。
20世紀のドイツの現代美術作家、ヨーゼフ・ボイスの言葉を基に、光の捜索、実験、検証が行なわれる。それはエイセル湖の開拓によって"オランダの光"は失われた、というもの。果たしてエイセル湖はオランダの光にどのような影響を与えていたのだろうか。
DVDが発売された時に見たかったのだけれど、購入を躊躇っているうちに忘れてしまって、先日TSUTAYAで見つけて借りてきたのでした。
ジェームズ・タレルの最大の作品でありライフワークの"ローデン・クレーター"の映像もみられます。
映像は美しく、時間がたっぷりある午後にコーヒー飲みながらゆっくり見たいDVDです。

20070914400.jpg
Googleでエイセル湖を検索してみました。オランダの北の方。

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2007年09月15日 23:59に投稿されたエントリーのページです。

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