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たらの木の芽とうるしの芽

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地図上で那珂川の支流の高雄股川を辿った。うちと同じくらいの標高まで道が繋がっているから自転車ででも行けそうだ。天気は良いけど風が強いからフライは振り難いだろうし、ロッドは持たずに川だけ見に行ってみよう。地図帳は重いからGoogleマップをプリントアウトしてポケットにつっこみ自転車で走り出す。車だと車止めが気になる分譲地の中を透明な風になったつもりで走り抜け、川を目指した。
地図上で川に接していた場所には、誰かの家が建っていてその大きな庭の先に川が見えた。なんて羨ましい。だけど、これじゃ川まで行けないや。ここは行き止まりだから、勢い良く下ったこの坂を戻ることにしよう。調子良く下りた坂は思ったより急だった。坂の途中、脚の筋肉が今にも止まりそうな自転車を支えきれなくなって倒れそうだった。情けないけどサドルから降りて押して上ることにした。ガードレール先を見ると那須山が見える。その下には高雄股川が薮の隙間から少しだけ見える。そしてその手前、たらの木には芽が吹いていた。

この時季、那須ではあっちこっちでたらの芽が採れる。山菜の美味しい季節だ。
たらの芽は棒のような木の先端から2回芽を出す。そのうちの1個だけ摘む分には来年もたらの芽を楽しむことが出来るんだけど、2個とも摘んでしまうとその木自体が枯れてしまう。だから、芽を摘んだ跡のあるたらの芽は採らない、というのが、その楽しみを共有する人達の遊びのルールでもある。

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さっき見つけた楤(たら)の木の直ぐ近く、そっくりな芽をつけた木が群生していた。
そこはガードレール先の崖の下から生えていて手が届きそうで届かない.....ちょっと待てよ.....おー、手が届かなくて良かった、それは楤(たら)ではなく漆(うるし)の木だ。楤には棘がたくさんついているが漆には棘はなく滑らかな木肌をしている。木肌を見れば全く違う木なんだけど、その芽は良く似ているから間違えやすい。
坂を登るとガードレールと漆の木が接近している場所があった。
手を伸ばせば届く距離。その辺りの漆の枝に芽はなかった。枯れている。たぶん、誰かがたらの芽と間違って摘んだのだろう。漆は楤と違って幾つにも枝を張るから2度芽を摘まれても枝だけ枯れて木は生きる。心配なのはそれを摘んだ人間の方だ。

たらの木はうちの庭でも勝手に生えている。
あっという間に3mくらいに成長したから、もう芽も採らせてくれない。
秋になると、生き延びたたらの芽は大きくなり真っ赤に紅葉する。漆もそうだけど、それは鮮やかに赤く美しく、山をも赤く染めるんだ。
だけど冬のはじめ、たらの木は枝の付け根から肩が捥げるように枝を落とす。それが気持ち悪いから、庭木として僕はあまり好きじゃない。芽も採れない。それでも何だか切り倒せずにいる。たらの木は棘のついた棒になって、風に靡くこともなく、冬の空に突き上げるように立って春を待つ。

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Comment(1)

透明な風になっちゃったんですかぁ?
すごいですねぇ~~

GWは、とうとう、そちらまで行く余裕がありませんでした。
忙しくて・・・・・・・(汗)

ウチでは、たらの木を昨秋切りました。
後始末が大変だったけど、棘のある棒はね・・・・・
切ったあとから小さな芽が出てます。

今回は、シオデがたくさん採れました。

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2008年05月04日 13:39に投稿されたエントリーのページです。

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