「時差ボケ東京」が届いた。これはmasaさんこと写真家・村田賢比古さんの作品集だ。
この写真集に収められている作品たちは、東京という圧倒的な数の人間が交差する場で、写真家が目を向けた群衆の中から切り抜かれた人や空間にだけ焦点を合わされている。それはどれも移動する人たちだ。
人の移動するスピードはその人の時間や生活リズムの一部であり、その個々のリズムが複雑に混在する東京だからこそ、この作品は面白い。僕が東京に行って疲れるのはそのいろんな生活リズムに自分の体内時計が順応しないから疲れるんだと気づく。そう、これも「時差ボケ」なんだ。
作家は巧みに移動するモチーフだけを切り取り、それ以外を暈して「時」の違いを表現している。シャッターが開いてから閉じるまでの時間を２次元に閉じ込めるのが写真であり、時間を表現するために写真家は自らが生み出した独自の撮影技法を駆使したのだと思う。これがもし、画像処理ソフトでの暈しであっては「時」を切り取ったことにならないからだ。
切り取られた景色の中に、切り取られた時間があり、それを東京の灯が静かに彩る、美しい写真集だ。殻々工房に置いときますからご自由にご覧下さい。
「時差ボケ東京」取り扱い店
●LOVEGARDEN／京島
●ブック・ダイバー／神保町
Comment(4)
ご無沙汰しています。masaです。うわ〜お求めいただいたのですね。すっごく嬉しいです。ほんとにすっごく…。しかも、的確な説明文を添えていただきましたこと、感謝いたします。
それにしても、長い間お会いしていません。たった一度お会いしたときの、ご夫妻の強い印象は、いまでも強く残っていますが…。また、折りをみて、ぜひともお訪ねしたいと思います。
本当にありがとうございました。何度も言いますが、とても嬉しかった…。
Author→ masa ＠ 2008年05月31日 02:34
＠ 2008年05月31日 02:34
そうか、2年前の「コストコ & 馬 TOUR」の時に一緒でしたね。
「殻々工房」の壁にmasa さんの写真が並んだら面白いだろうな。
Author→ iGa ＠ 2008年05月31日 08:18
＠ 2008年05月31日 08:18
masaさん、ご無沙汰してます。
この写真集を手にした僕こそすっごく嬉しかったです。玉井さんの記事でしった自費出版のことや、行ったことはないけど良く見ているLOVEGARDENにメールして購入したり。印刷物になると急に作家の手を離れてしまいそうなものを、作家の手仕事の一環のようにオリジナル作品を配るように僕らの手元に届けてくれる方法を選択されたmasaさんは素敵だと思っています。
＞ご夫妻の強い印象は.....
あれ、酔って何かまた変なものをお見せしちゃったっけかな(^_^:)
Author→ OIL ＠ 2008年05月31日 12:20
＠ 2008年05月31日 12:20
iGaさんは京島でお買い上げですね。いいな。
そう、もう２年前になるんですね、馬うまかったなー。
僕も殻々工房の壁にmasaさんの作品が展示されるのを見てみたいです！
masaさん、那須は遠いから何なのですが、ぜひ、機会を作って殻々工房で個展をして欲しいです！
Author→ OIL ＠ 2008年05月31日 12:29
＠ 2008年05月31日 12:29