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夏の邸宅・舟越桂/東京都庭園美術館

20080813001.jpg目黒駅を下りると暑さが肌に貼付くようだった。庭園前の高架下の日陰で赤信号一個分の休憩、庭園横、街路樹のトンネルを抜けて門まで着いた。アブラゼミのシャワシャワいう音は僕を油揚げにしているみたいだ。門の横の事務所窓口でチケットを買う。チケットと釣り銭を受け取ろうと伸ばした手が窓口に近づき、指先だけ急に涼しくなった。アブラゼミとツクツクボウシの音を聞きながら門から玄関へのアプローチを進む。現れる洋館に足を踏み入れると、そこは静かで、とても涼しかった。と、同時に、入り口手前の薄暗い一室には、入場前から早くも舟越桂のスヒィンクスが待ち構えていた。なんなんだ、このシチュエーションは。僕はこの時点で早くもやられてしまっていた。まるで炎天下にイタリアを歩き回り、ひんやりとした石造りの教会に入った途端、中世の絵画が待ち構えているような、そんな造りだと思った。

東京都庭園美術館は美術館とはいうもの、アール・デコの建物、家具、内装、そのものが歴史的価値があるもので、所蔵作品を持たないから常設展もなく、企画展が殆どだからミュージアムというより特異な空間を持ったギャラリーという事になる。この空間と舟越桂の木彫がコラボレーションのように相乗効果を持たせているのだ。旧朝香宮邸である庭園美術館の幾つにも区切られた部屋や広間、寝室、書斎、浴室に、舟越作品が遠い目をして佇んでいる。
カタログを購入したけど、残念なことにそれには真っ白な展示室に置かれた作品写真が紹介されているだけだから、そこからは庭園美術館での展示の独特な雰囲気は伝わらない。
蝉の声が遠くで聞こえているのか、さっき聞いた音が耳に残っているのか。薄暗く涼しいアール・デコ空間で、決して視線の合うことのない舟越作品に近づき対峙する。造形的な面白さと自分の中から生まれるイメージをひとつひとつ楽しんでみる。彫刻19点、ドローイング約40点、版画約20点。これはその場に行かなければ味わう事のできない作品鑑賞だ。
「夏の邸宅」ってタイトルが何だかな、って思っていたけど、今は「夏の邸宅」として、しっくりと記憶に残っている。

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Comment(4)

iGa:

東京都庭園美術館のサイトに次の一文がありました。

>当館の中での展示風景をおさめたミニフォトブック「舟越桂 夏の邸宅」を8月下旬より販売いたします。

OIL:

iGaさん、ありがとうございます!
なんと、今日発売ですね。注文してみよぉ〜。

iGa:

今日の日曜美術館のアートシーンで紹介されてました。
この作品も展示されているようですね。
http://madconnection.uohp.com/mt/archives/000677.html

OIL:

"言葉をつかむ手"だったかしら、ありました。
今回は手がも1つ増えて....な、"水に映る月蝕"というのも....

庭園美術館にミニフォトブックを問い合わせたら、現金書留で確認後発送で送料500円プラスとのこと.....ちょと思案中......

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2008年08月14日 12:21に投稿されたエントリーのページです。

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