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四位置・内海聖史/藝術倉庫

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那須の藝術倉庫で内海聖史「四位置」展を見てきました。「四位置」と書いて「よいち」と読む.....那須の.....よいち...
内海聖史作品を初めて見る人には勿論、これまで彼の個展を見て来た人達にも楽しめる内容ではないだろうか、と、勝手に思う。
彼の個展を幾つか見せてもらっているが、個展の場合は鑑賞者の作品の見方に必然的な制限が設けらえるような展示方法だったように思う。銀座の小さな画廊の一面を埋める作品は後壁に引いても視界に収まらなかったし、藍画廊での個展に於いては小さな空間を作品で斜めに仕切り三角のスペースで作品を間近に見るから展示の意図は明確なのだけど、そこに作品があるのにその全体像を見るのは困難で鑑賞者側の自由度は低かった。同時に、下北沢のMACAや資生堂ギャラリーのような大きなスペースで壁一面を埋める大きな作品は、天井、床、両壁が作品との境界となり、スペースの一面を作品世界に解放したようなダイナミズムを感じ、どこまでも続く景色を大きくトリミングしてような無限の広がりを感じることも出来る。その会場に合わせた制作と展示による空間演出でもあるのだと思った。
レントゲンでの三千世界は沢山の小さな同じサイズの作品を均等に配置する事で壁面を埋めたものだから資生堂ギャラリーに場を移した時などのように空間を移動したり作品を入れ替えても、展示から与えるイメージやコンセプトはそれほど変わらずにいられて空間を移動することへの自由度が高くなったように感じる。
今回の藝術倉庫での個展では、小さなスペースで全体像を見る事の出来なかった作品が、広い芸術倉庫の壁面とのバランスから四角いキャンバスに描かれた絵画として鑑賞することになる。視界に収まらない絵画はその平面のなかで視線が泳ぎ続けて留まる事がないのだけれど、四角いキャンバスとして目が捉えると、頭の中にある絵画の概念が作品を取り込み、作品の内側にベクトルが生まれ、全体の構造を目が捉える。こうなっていたのか、という事もある。この展示は今月の24日(日)まで。

NEWS: Roentgenwerke AG
http://blog.livedoor.jp/roentgenwerke/archives/50615191.html

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下記のサイトで先日終了した那須・芸術倉庫の個展「四位置」についてレビューを頂いています。 展覧会の画像もあります。 表現は確実に誰かに鑑賞される事で理... [詳しくはこちら]

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2008年08月19日 23:55に投稿されたエントリーのページです。

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