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明治百話/theatre iwato

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神楽坂のtheatre iwatoで、話題の「明治百話」を観てきました。
タイトルからも分かるように原作には百の話があるようだけど、舞台上ではオムニバスでなく1本のストーリーに構成され進行する。オムニバスを観たり読んだりした後で頭に湧いてくるテーマの感じ方よりも表現としては具体的なものになるが、明治という変動する時代を軸にピックアップされた幾つかのエッセンスを調合しているからこそ、ストーリーはより複雑に膨らみを増し、奥行きのあるラブストリーになっていたのだろう。原作を読んでみたくなったから家に帰ってからamazonで「明治百話」の上下巻を注文した。
写真は舞台が終わってからiwatoの外観を撮ろうと思っていたのに撮るのを忘れてしまったので、はじまる前に最前列の僕の席からiPhoneで撮った写真なのだ(^_^;)

舞台はいろんな表現者による表現が盛り沢山のバラエティ豊かな内容で飽きる事なく終りを迎えた。前半部分は女優として重要な役も演じてもいる二十五絃箏奏者のかりんさんと、効果音の殆ど(銃声以外...かな?)をライブで演出するパーカッション(関根真理さん)が、舞台上から芝居にも絡んできて、休憩明けとラストにはライブもあって(←これがまた良かった)、当たり前だけど映画にはないライブ感のあるエンターテイメントだった。
映画といえば、今回のヒロインお侠役を演じた玉井夕海さんの演技を拝見するのは映画「もんしぇん」以来2度目。theatre iwatoという小さな劇場では彼女の演技の熱さが直に伝わり、その力強さに惹き付けられた。堀井政宏さん演じる綱太呂はひょうひょうしていてとても感じが良かった。そんなお侠と綱太呂の違いは見て取れる温度だけでなく、表現方法にも違いがあって面白かった。
お侠が劇中で涙するシーンがある。それは本当に泣いている感じでちょっと心配しちゃうくらいリアルなものだ。
同じく綱太呂も涙するシーンがある。こちらは山田浅右衛門を前に「ぅわーーーーん」と言っていかにも芝居らしく泣いてみせる。
どちらも「泣く」という表現として成立しているし、善し悪しではなく両者がいつも表現している「場」の違いが表れているのだと思う。ひとつの劇団の舞台では表現が一貫している一方で、そこの演出家によって表現が似てしまうこともあるかもしれないが、ここにはバラエティに富んだ舞台のあちこちに楽しさに見えて来る。
お時間のある方はぜひ......今日が千秋楽です(^_^;)

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Comment(2)

ありがとうございました。
おかげさまで、連日満員でおわったそうです。
ぼくも写真を撮りそこねてしまい、チラシに頼りました。
そろそろamazonから届いたころでしょうか、とても面白い本ですね。
この本を読み、そこにある事実の断片から組み立てられたこの芝居を見て
あたりまえのことですが、「歴史」としてぼくたちの知っていることは
無数の出来事をふるい落とし、それをある立場から整理されたものにすぎないのだということを実感しました

OIL:

玉井さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
玉井さんのコメントに、なるほど、と思い、この本がとても貴重なものに感じます。


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2008年12月07日 10:44に投稿されたエントリーのページです。

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