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エッフェル塔を売る男

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ここはエッフェル塔の真下にある広場。さすがは観光名所、冬の寒い午後でも沢山の人がいた。写真の中央、手に銀色の尖りを持ち、少しうつむき気味の似た姿勢の男が3人。彼らは手に沢山のエッフェル塔をぶら下げた「エッフェル塔売りの男」たちだ。しばらく見ていたけれど、どうも売れているは様子がない。寒さのせいで活性が低いのかそれほど執拗に観光客に食い付いたりもしていなかった。僕は彼らの1人と近い場所にいたし目が合ったのにも関わらず目を逸らされた。(←お金持ちじゃないってバレたかな(^_^;) )
モンマルトルのサクレクール寺院では少し離れた所から「アイアム、ノーデンジャラース」と言いながら近付いて来る男がいた。日本でだって「怪しい者じゃありません」って奴ほど怪しい奴はいないし「種も仕掛けもありません」という手品には種がある。彼はモンマルトル名物の「ミサンガ売りの男」だ。近付いて勝手にミサンガを結びお金を請求されるから近付かない方が良いらしい。怪しい人には初めから曖昧な態度を取らずはっきりと断れば良いわけだ。
僕が小学生の時、下校時間の校門(この小学校には大きな正門と職員室の近くにある西門、古くからある小さな煉瓦造りの煉瓦門の3つがあって僕の登下校は大抵この煉瓦門を使っていた)の外で、おじさん1人に子供たちのちょっとした人集りが出来ていた。楽しそうだから駆け寄ると、おじさんは何やら口に含んで「ブーブ、ブー、ブーブ、ブーーー」と笹笛のような音を出している。みんな、何だろう、と興味津々におじさんの口元を見つめている。おじさんは口の中から銀色の厚紙を二つ折りして緑色の紐でグルグル巻いた2cmくらいのものを取り出しだ。「これを前歯で上手に噛みながら息を出すと音がなるんだぞぉ」と言って、またとても楽しそうに音を鳴らすんだ。これが小さなビニールに入っているのを見せて「1個100円だよー」と言った。「えー、今、お金持ってないよー」と同じ子供会の男の子が言った。おじさんは「家に帰って持っておいでー」と言ってまた楽しそうに音をだし、その子は家に向かって走っていった。何人かの子がそれを買った。僕は凄く悩んだ。たしか1ヶ月の小遣いが300円だった時だったし、駄菓子を買うよりもいけないことにお金を使うようでドキドキした。僕はずいぶん悩んだ末にそれを買った。
袋から出して家に向かって歩きながら口に含み、息を吹いた。スー、スー、という息が抜ける音だけがした。しばらく練習したけど音が出ない。そのうち紐は解けてバラバラになった。僕は校門に戻ってみるともうおじさんはいなかった。
あのエッフェル塔(キーホルダー)は幾らだったんだろう。そんなに高く無ければ記念に買ってみても良かったかな、なんて今になって思う。しかし、まぁ、その時になれば、物の割にはバカ高いのだろうから、僕の財布の紐はなかなか緩まないのだろう。

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エッフェル塔って周りに建造物が何もないからとても良く映える。

ネット上ではキーホルダーではないエッフェル塔を売った男の記事もあった。
http://www.excite.co.jp/News/economy/20080322/Moneyzine_39411.html

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2009年02月20日 14:25に投稿されたエントリーのページです。

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