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BEUYS IN JAPAN ボイスがいた8日間/水戸芸術館現代美術ギャラリー

20091112002.jpg水戸芸術館で「BEUYS IN JAPAN ボイスがいた8日間」展を見て来ました。(←もう先々週のこと...書き掛けのまま、あっという間に2週間経ってもうた)
僕が高校を卒業して東京で一人暮らしをはじめた頃、ワタリウムでヨーゼフ・ボイス展があった。ワタリウムの展覧会履歴を見ると1991年のことだったらしい。その時、僕は展覧会を見た後、館内の売り場にあったボイスの社会彫刻についての本を買って帰った。正直、自分には理解しきれなかったけど、ワタリウムにあるウォーホル、キースへリング、メープルソープ、ナムジュンパイク、ボイスなどは当時の僕には、とっても格好良く映った。
今回の水戸芸術館の「BEUYS IN JAPAN ボイスがいた8日間」は、1984年、西武美術館での「ヨーゼフ・ボイス」展を記念して来日した8日間に行われた、インタビュー、パフォーマンス、学生との対話集会などの記録と、ボイスと関わった人達のインタビュー、そしてボイスの作品が展示されていました。
僕は昼過ぎに入場したんですが、映像資料が多かったので、そんなにゆっくり見ていたわけじゃないんだけど時間が足らなくなりました(^^;
芸大で行われた学生との対話集会の様子がとても印象的だった。
ボイスはアーティストではあるけれど、政治的な活動家だと思う。社会彫刻という概念は、人間総てが、過去の規範に囚われずに、創造性を持って社会を構築していこうというものだと思う。画家という括りのなかで妙に安心して社会を斜に構えて見たとしても、それ自体が古い型にバッチリ嵌ったものであって、長いことその型に嵌りながら生まれて来た画家の現在を見れば危機感を持たずにいられないだろうとも言っていると思う。自然環境や芸術と経済、諸々に不安を抱える学生達との対話集会をボイスは望んでいたのだろう。
もちろん、ボイスの考えに皆が賛同するとは思えない。
だけど、その場に集まった学生達は、社会に不安や意見を持っているようには見えず、ボイスが話そうとしている事と見当違いなことを批評家のように語っているようにしか思えない。大人と子供.......それ以上の差があったのかもしれない。
ボイスの作品や来日に対する批判めいた意見を意気揚々と語る学生達に僕は気分が悪くなってしまった。
ため息をつくように無言で黒板に向かいチョークを持つボイスの姿が痛々しくもあった。それでも最後は笑顔で学生達と握手をして別れる。やさしい人だったんだなぁ。
この1年半後にボイスは他界している。

作品展示ブースのあと、ボイスに関わった日本人へのインタビューの中で、当時、学生としてその場にいた宮島達男氏の「次元が違った」というコメントに救われた気がした。

これは余談ですが、この企画展は映像を見るのに時間がかかるので、水戸芸の駐車場に止めると駐車料金が...........ゆっくり見るなら近隣の「1日最大○○円」という駐車場に止めることをお薦めします。ランチ1食分は浮いちゃうかもよ(^^;

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Comment(2)

fuRu:

TBありがとうございます。
この展覧会は観たかった。
映像中心というのが良いですよね。
そう杯っても仕方がないので
本を読んでがまんします。

ちなみに、こちらからのTBが送れません。
私の方のMTのエンジンが壊れているようです。

fuRuさん、どもです。
水戸芸行った時はまだ本が出来てなかったので僕も本を買おうかな。

ブログのTBという機能が僕にとってはブログらしく思えて好きだったんですけど、スパムも多いし、近隣を見てもトラブルの多い機能ではありますね(^_^;

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2009年11月25日 13:21に投稿されたエントリーのページです。

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