「月と六ペンス」のウィリアム・サマセット・モームが「イングランドでおいしいものを食べようと思えば朝食を三回食べよ」言ったというのを読んだことがある。
イングリッシュブレックファーストはボリュームがあって美味しいらしいけど、モームのそれは、それくらいイギリスの食事は美味しくないという意味だ。
ところが、思っていたよりもイギリスの食事は美味しかった。もっともイギリスっぽい食事はレストランで伝統料理を食べたわけではなくて専らビールと一緒に食べたパブメニューだったけど。味付けは確かに薄い。だけどこれは塩コショウ、ソースなど自分の好みで後から味付けする前提での薄味のようで調理に対する考え方の違いと見て取れる。
あまり時間のない朝は、通りから見えた美味しそうなパンに釣られてカフェに入ってみると、パリのサンドイッチみたいなバケットサンドがパニーノとして売られていてイタリアンカフェだったりする。他の日も何となく入ったカフェではクロックムッシュを食べてしまって、結局イングリッシュブレックファーストと名の付いたものは帰りの飛行機の中で出た機内食だけだった。
ロンドンで観光客が気軽に入れる場所にあるカフェには、イタリアンやフレンチ系のカフェ、その他、マクドナルド、バーガーキング、スターバックス、EATなど外国の外食産業が多く、東京と似ている。