今週土曜まで展示中の内海聖史 展「さくらのなかりせば」を見に、渋谷のギャラリエ・アンドウに行って来ました。
今回も点描のようにドットを重ねた色彩のグラデーションで見せる作品。ギャラリーオーナーによる照明の強弱によって見え方が変わるのも見る。作家はどの明るさで見るのがベストだと思っているのかも聞いておけば良かったな。絵画に限らず美術作品は光や空間での置かれ方で見え方が違うものだよね。今回の作品は綿棒による小さなドットで2054x5553mmのキャンバスに描かれている。「綿棒で最大の作品」というギャラリー説明が面白い。ギャラリーの壁の角の干渉を少なくするために角だけ浮かせての固定は流石だな。最近はよく揺れるから展示には気を使うと思う。
過去の作品での大きなドットは5センチくらいだったろうか。今回のドットは5ミリ程度だから約10分の1、大きなドットで換算すると、キャンバスのサイズは高さ20メートル、幅55メートルの作品になる訳だ。以前、下北沢のMACAギャラリーで見た作品が幅17メートルだったそうだから、あの3倍のスケールになるんだな。でも50メートルのスケール感はなく、明らかに小さなドットは大きなドットのミニチュアではない。印象もかなーり違う。大きなドットはフラットな感じだけど、小さなドットはマチエールが多く厚みもあるから絵の具感が強い。だから僕には大きなドットの方が木の葉や花びらのようなイメージもあるんだけど、この小さなドットには物質的な立体感のある塊のイメージを持って見ていました。地面に降り積もった花びらの山のような重力と。
今回、久しぶりに東京に行って思ったのは、網戸のある商業施設って少ないってこと。
窓を開けての通風が取れない設計だとエアコン無しには春だって蒸し暑い。特にハロゲンを使ったギャラリーで照明の調光を全開にした時の暑さにはビックリ。
真夏、東京が一斉に停電したら気温は何度下がるんだろう。都に電気なかりせば。