ヴェネツィアでの夜、細い路地沿いにあった酒屋さんの窓ガラスに自家製ワインの貼紙があった。イタリア語と英語で。
ミネラルウォーターのペットボトルに移し替えて1.5リットルで5ユーロ。
店の中に入ってみる。
オジさんが2人、カウンターの中と外とで話をしていた。イタリア語で挨拶してから英語で注文すると、店のオジさんは、何言ってんだ?って顔になった。イタリア語で注文し直したら、オー!シー、シー、と言い、入れものはプラスチックだぞ、と確認してきた。どうやら、あの貼紙を書いたのはオジさんではないらしい。
店の中の棚の上には横になったワイン樽があり、丸い底面にはコックが付いていた。その樽の隣りにペットボトルに移された赤ワインが1本、オジさんはそれを手取り、5ユーロだという。僕もピッタリ用意していたからカウンターに置き、ペットボトルを受け取り、挨拶して店を出た。
ホテルに帰りさっそく飲んでみた。
予想していたよりもしっかりとした色、後味はスッキリとして雑味や酸化防止剤の味も感じない。こりゃぁいいや。