トルチェッロからブラーノへ。
本島へのヴァポレットの時間が遅くまであったので、暗くなるまでブラーノを散策することに。といっても、もう陽は沈んでいるので1時間ちょっとかな。
この島の家はいろんな色に塗り分けられている。ここは漁業の島なのだそうだ。船乗りが自分の家が分かりやすいようにいろんな色に塗り分けられているのだそうだ。そういや、アパートに住んでいるとき酔っぱらってお隣りさんのドア開けようしたこと、何度もあるなぁ。
天気が良ければとても鮮やかなのだろう。
この独特な家並みと同じくらい有名なのがこの島のレースなのだそうだ。島のあちこちでレースが売られている。だけど、その殆どは中国産でブラーノレースではなく、読んだ本によるとブラーノレースはもっと立体的で、そして高価なものらしい。漁師の帰りを待つ妻が編んだものだそうで、元々は漁師が持って帰った珍しい海藻を妻がレース編みで再現したものだったんだと書かれていた。
店で聞けば奥から出してもらえるかもしれないけれど、自分の買える金額のものでもないだろうから店に入ることもしなかった。ブラーノのレースを画像検索してみると、年配の女性が椅子に掛けながらレースを編んでいる姿が見られる。いいもんだな。
暗くなったので船着き場に戻った。
船着き場前にはフィッシュフライの店があった。もう閉店間際という感じだったけど大丈夫か聞いたら問題無さそうだったのでイタリアのビールと一緒に注文した。ひょっとしたら美味しそうに見えるかもしれないけど、シーフードミックスとポテトをフリットしただけの大して美味しいものじゃない。観光客向けのレースと同じようなものだ。
その店で働いているのは10代の女の子3人だった。おしゃべりが忙しいなか、たまに地元の男の子が来てジュースを買って、作業帰りのオジさんが来てビールを買って、おしゃべり仲間の女の子が増えて、なんてしていた。
おしゃべりに夢中になりながらもエプロンして店の仕事をする観光地の女の子たちにイヤな気持ちはしなかった。それくらい緩いほうが明るくっていい、と思った。
夜の海に明かりが点いた。
ムラーノ経由でヴェネツィア本島に帰る。
本島を昼近くに出発して、サン・ジョルジョ・マッジョーレ→ジュデッカ→ムラーノ→トルチェッロ→ブラーノを回った。なかなか充実した一日だったな。