ギュスターヴ・モローが晩年過ごした館でありまた、彼の意思によって作られた美術館なのだそうだ。美術におけるフランス象徴主義を代表するモローの濃密な空間でした。
玄関を入り、2階で書斎や食堂、寝室などの再現を見てから、3階のアトリエスペースへ。ここに展示されているのは習作も多いけれど、壁に収納されたデッサンの数も合わせるともの凄い量の作品。これだけの技術と密度を持って、これだけの作品数を作る作家って現代にはいるどのくらいいるんだろうか。
モローが生きた時代を想像すれば、アカデミズムに対抗するかのように印象派、それにまた対するような位置の象徴主義だけれど、聖書や神話のストーリーにロマンチシズムを重ねルネサンスを併せたような作品は、聖書や神話に馴染みの薄い日本人にとっては予備知識なしに作品を深く理解するのは難しいだろうな。
デッサンはいろんな植物や動物、人物など作品に登場するモチーフをいろんな角度から捉え、それを元に作られたエスキースも多く残っている。木枠のケースに収められたそれらは壁に収納され、腰掛けながら本を捲るように見ることができた。
Musée national Gustave-Moreau
http://www.musee-moreau.fr/