パリ滞在の最終日、日曜の午後。
シテ島からぶらぶら歩きながらポンピドューセンターへ。
パリ市庁舎前の特設のスケートリンクを横目に、大きなシャボン玉を作るおじさん、スチールギターを美しく弾くイケメンに群がる人達、少し離れたところでアコーディオンでシャンソンを弾くおじさん、飛ぶカモメ、回るメリーゴーランド、転び泣きわめく子供、白いオープンカーに乗った中国系の新郎新婦とそれに続く高そうなベンツに乗った何台もの中国系の人達、ボブディランを歌うアコギ弾き、絵に描いたようなパリの恋人たち、甘い匂いのポップコーン。心地よくもあるこの日曜の午後の賑やかさ。
歩いている時っていうのは、頭の中では何か考えていることが多くて、例えばこの時の場合、古代のものを残しつつ現代までの堆積を並べるということは複雑な眺めを生むことで、この先、時代の堆積に比例して今よりもっと複雑なものになるのかもしれないよね。より複雑な芸術表現と、それに抗うようにシンプルに表現しようとするこの2つはどちらも現代的な表現で、現代美術や現代音楽に触れて、なんじゃこりゃ、と思うこともあるけど、このくらいじゃないと現代では癒されないし、現代は表現できないということもあるでしょう。作ってる方はそんなこと考えてなくても鑑賞者は求めているかもしれない。
なんてことを考えながらポンピドューセンターに着いた。
パリにある国立美術館の中でモダン以降の作品を所蔵しているポンピドュー。
でっかいねー。
この時の企画展はダリ展。
でもちょっと疲れてたから常設だけ見ることにした。テーマパークのアトラクションのようなエスカレーターで一番上まで上ってみる。
暖かな夕陽と先に見えるエッフェル塔。
丘の上のサクレクール。
ここポンピドューと同じ、レンゾ・ピアノ設計のコルビジェのロンシャンの礼拝堂のゲストセンターの設計のプランの展示。礼拝堂、行ってみたいなー。
ミロの展示、美しかったです。
現代美術の常設も見たけどいまいちグッと来たものが少なく、こんな感じのモダンの写真ばかりカメラに残っていた。デュマスの作品もあったけど森美術館での展示のような圧倒する感じはなく作家紹介的な感じの常設だった。やっぱりここも企画展なんだろうな。
パリと、このあとニースにも行って、マチスとコクトーの再発見が自分にとっての収穫だったと思う。