鉄道に乗ってカンヌで降り、駅前のバスターミナルでガイドブックに載っている路線のバスを探そうと思ったけどカンヌ駅前が工事中でバスターミナルがなく、あれこれ探しながら臨時バス停を見つけてバスに乗り、行き先のバス停を確認しようとしていたら乗り合わせたオジさんが、俺が教えてやろうか?的な笑顔で近寄り、折角だから本を見せたら、オッケー、次の次だよ、と言われ、お礼を言って降りてみると、近くにそれらしきものはなく、歩いていた夫妻に声を掛け聞いてみると知らないと言われ、暫くしてから夫妻の奥さんから呼ばれ、あなたが行きたいのはココ?と指差した先にはボナール美術館のポスターがあり、そうです!近い?歩いて行ける?と聞いたら、とんでもなく遠いわよ 歩くのは無理、と言われ、教えてもらったバスに乗って、ボナール美術館前のバス停で降りた。
2011年に開館したできたてのボナール美術館なのだ。
小高い閑静な場所、ル・カネ市役所の隣りにあった。
約150点のボナールコレクションと聞いていたから、かなり楽しみにしていた美術館なのだけど、どうも話が違う。ボナール作品はあるけどそれほど多くはなかった。企画展は"L'ŒIL D'UN COLLECTIONNEUR
REDON & DENIS. RÊVE, AMOUR, SACRÉ"で、ルドンとドニを中心にした版画作品と版画技法の紹介という内容。展示スペースとしては版画作品を展示するに適したこじんまりとしたサイズのホワイトキューブが何階か重なっている。
しかしこれは、ボナール美術館なのにボナールを見たというよりルドンとドニを見に来たという感じで、企画展とボナールの関係が薄く、また企画展の量に対してボナールコレクションの展示の量が少ない。ルドンは好きだけど勝手に期待していただけにちょっと残念。。
ル・カネの町のあちこちにはボナールが描いた風景や建物の場所にこうして作品のパネルが設置されているそうだ。