バス停じゃないところから乗ってきた夫婦とバスの運転手がなんだか言い争いになって、
運転手は、ダメだ降りろと夫婦に言って、
夫婦はかまわず席に座ったけど、ドアは開いたままで、バスは止まったままで、
何分かすると他の乗客が1人、2人、降りはじめて、
夫婦は運転席に詰め寄って、また言い争って、
ついに運転手は運転席から出て夫の胸ぐらを掴んで、
ボンソワ!ボンソワ!言いながら夫婦を外に押し出した。
バスは走り出したけど次のバス停で強そうな制服姿の男が4人乗ってきて、
坊主頭で首の太い4人は力強く運転手と握手をして、
運転しながら話す彼をなだめるように肩を叩き、話を聞いて、
何こめかのバス停で4人は降りて終点じゃないけどバスも止まり、
そのバス停でみんな降ろされて次のバスを待った。
運転手のバスを走らせないという乗車拒否はほかの乗客には迷惑だけど、いきなり掴み合ったりするよりは平和的な解決方法を選択したんだな。
フランスはストライキで交通機関が止まったり観光施設が閉まったりと観光客にとっては迷惑なことが多い。これはストじゃなくボイコットだけど、ストライキによって抗議するというのも心が正しければ悪いもんじゃないな、と思って見たりする。それはもちろん、平和的でない解決方法を繰り返してきた国だからこそ存在するものとして。