冬だけどダウンジャケットで日向を歩いていると汗ばんでくる
日が沈むと急に涼しくなるけど
ピンク色の夕焼けと青い空
明るくない街灯
地面から湧き上がってきたような黒い夜に消えていくローマの遺跡
きれいな空の下、行き交う人が多いのに その表情は夢のなかのように見えそうで見えない
コロッセオからヴィットリアーノに続く道を歩く
右に曲がりモーゼの待つサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会に向かう途中
世界中からきた旅行者が右に左に ときには後ろ向きに、歩いているのがいい
人の顔はよく見えず、楽しそうな声だけが聞こえるのもいい
さほど寒くない薄暗闇をぶらぶら歩くのは気持ちがいい
腕時計の針はいつもと同じ速さで回っているのだとしても
このぶらぶら歩いた時間はぼくの頭のなかで何度も繰り返し流れています
永遠ではないけれど、何か真理があるのでしょう