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ナポリのあてにならないバスと夕立とクラクション

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ヨーロッパの都市部での移動はいつもバスを頼りにしていました。
しかし、どーもナポリではバスが思うように来ない。
大きな路線の発着所はまだいいのだけれど、小さな路線はいくら待っても来なかったり。
地元の人は停留所で少し待っては、ダメだこりゃ、というリアクションをしながらいなくなってしまう人が多かったりする。
バスよりメトロのほうがよっぱど早かったしキレイだったけど、不安になるくらいに利用者が少ない。
なんでなんだろう。

基本的に、こっちの人はせっかちなんだろうか。
タクシーに乗ってると、クラクションを鳴らすタイミングが早いのに驚く。
信号が赤でタクシーが止まる。
交差する通りの信号が赤になると車はゆっくり動き、青になった瞬間に前の車のブレーキランプが消えないとクラクションを鳴らす。
町中がクラクションの音で溢れている。

大きな独り言のような文句も多い。
前の車が遅いとハンドルから手を離しジェスチャーつきで文句をいう。
バス停に立っていると、目のまえの水たまりを車が通ろうものなら、跳ねた水と過ぎ去る車を交互に差して大声で文句を言う。バス停に何人か並んでいると男女とも全員が一斉に同じことをする。
はじめはビックリしたけど、だんだん楽しそうに見えてくる。
これはストレスがたまらなくて良さそうだ。

タバッキでバスのチケットを買おうと思った。
店のおばさんに、回数券をください、と言ったら、ないと言って一日券を出された。
ガイドブックに載っていたので、これ、これ、と見せてみる。
だから、ない!と怒られた。
どこで買えるの?と聞こうとしたら、大きな手振りを交えて30秒くらい怒っているように途切れなく大声で話している。
目を見ながら聞いいていても、何を言われているのかわからなかった。
だんだん楽しくなってきたので肩をすくめながらニコッしたらおばさんもニコッとした。
笑いながらヤレヤレ、という感じで、僕の手にあったガイドブックを指差し、フィニッシュ!と言った。
あー、フィニッシュ、と言った。
フィニッシュ、フィニッシュ、とおばさんは言った。
2枚、一日券を下さい。
お金を払い、チャオ、といったら笑顔でチャオだった。
怒ってるような大声は通りまで聞こえていたらしい。
疲れさせちゃったかな、観光客は迷惑だな、と思った。
でもいい人でよかった。

この時は2月だったけど雨は夕立のように降ってくる。
雷もなって、スーパーは停電したりする。
いつものことらしく、慌てる店員はいない。レジも休憩になる。
うわっ、と言ったのは僕くらいのもんだ。

ナポリでのことを思い出す時は、
海や街の眺めと一緒に、たくさんの人の顔を思い出す。
フィレンツェやミラノよりも、なんだか懐かしいような気持ちになる。
冬に行ったのに、遠い夏を思い出すような賑やかな懐かしさだ。

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2015年06月29日 13:00に投稿されたエントリーのページです。

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