ルーベンスの友人でパトロンでもあった当時のアントワープ市長のロコックスが住んだ家に、彼が集めたルーベンス、ヴァンダイク、ブリューゲル、ヨルダンスなどのコレクションを展示しているロコックスハウス。
この時は、聖母大聖堂等しく閉鎖中の王立美術館の所蔵作品も展示されてました。
お、と、く♡
受付で作品紹介の小冊子をもらいます。
結構しっかりした作りでした。
言語は、英語、フランス語、オランダ語、ドイツ語もあるのかな?
作品は展示順路に沿って掲載されているので解説を読みながら作品を見ることができます。
今回、アントワープの他の美術館でもこのスタイルが多かったです。
記念にもなるし、後でゆっくり読めし、キャプションがないと展示がシンプルだし、余計な穴を壁に開けなくていいからいいですね。
写真手前左にヤンヴァンエイクの素描、その先にウェイデン、まずは王立美術館コレクションが続きました。
エイクの素描の裏。
王立美術館所蔵のジャンフーケも見られました。
異彩を放ってます。
15世紀の絵画とは思えないくらいにビビッときてる。
メムリンク。
フランドルまで来たのにメムリンク美術館が休館中だったというのも既に印象深い記憶です(笑
この時、ロコックスハウスには70点を超える王立美術館所蔵作品が展示されていました。
配列はロコックスの所蔵作品と時代や様式を合わせて展示されているようで、見ていて違和感がありません。
密度の高い展示を落ち着いた空気の中で見ることができました。
さすがに知らないフランドルの画家が多いです。
16世紀あたりのフランドルルネサンスにあたるアントワープ出身の作家の作品の多くは、デューラーであったり、ラファエロであったり、ブリューゲルであったり、誰かしらの影響を色濃く感じました。
ロコックス市長のコレクションから長男ブリューゲル。
左にクラナッハ。
その他、前述したイタリアルネッサンスの様だったりプリューゲルに似てたりという画家を、以下メモ。
ランバートロンバート、ヤンマセイス、コーネリアスヴァンクレーブ、ヨアヒムブーケラール、ピーテルバルテン、ルーカスヴァンファルケンボーグ。
ドアの上のアンソニーヴァンダイク。
制作年は1635年とあるので、ルーブルにある「英国王チャールズ一世の肖像」を描いた頃です。
小冊子の表紙はこの作品でした。
フランスフランケン2世の画廊画です。
解説によれば、フランスフロリスと一緒に描いたそうです。
名画が壁じゅうに架けられた室内の風景画を「画廊画」と括っているかと思います。
画廊画はフランドルが発祥だそうで、なかでもこの絵の作者、フランスフランケン2世が最初なのだそうです。
この絵は画廊画というよりも絵画のある部屋と机、机の上にはアンリ4世のメダル、ギリシャとローマのコイン、錠前があるんですが、これは日本製だそうです。そしてたくさんの貝殻などなど。
絵の中央近くに見える花の中に見える聖母子像の絵は、ヤンブリューゲルと共同制作した自身の作品だそうです。やるね、入れてくるね。
その右下に受胎告知、その右にマギの礼拝、その隣にまたヤンブリューゲルの絵の様な花瓶に活けられた豪華な花。
ご存知、ヤンブリューゲルはピーテルブリューゲルの次男で、長男のピーテルは父親の絵とそっくりな作品をたくさん残しましたが、ヤンはこの様な花の静物画や風景画などを描きました。
これがまた見事な細密描写なのですが、これは現実にはありえない静物なんです。
なぜかというと同じ時期には咲かない花が全て満開で描かれています。
そんな静物をこの絵の中に実在の静物として入れてくる重ねられたトリックが楽しいところです。
もう一枚ありました。フランスフランケン2世。
商人のセバスチャンの絵画コレクションだそうです。
ロコックスハウスの玄関を出たところの別棟にも「POWER FLOWER」という展示がありました。
16−19世紀のアントワープでのフラワーペインティングが展示されていました。
ヤンブリューゲルだそうです。
ヤンブリューゲル(父)とヤンブリューゲル(子)との親子でのコラボレーションだそうです。
1620年とありますから父が52歳、息子が19歳の時の作品です。
5年後に父はコレラにより他界します。