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齋藤千明 作品展「Terrarium」/ 殻々工房

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齋藤千明さんによる那須高原では2度目の個展となる「Terrarium」展が殻々工房で始まりました。
 
Terrarium テラリウムとは「terra」テラ=土、大地、「ーarium」=〜に関する場所。
一般的にテラリウムというと陸上の生物(植物や小動物)をガラス容器などで飼育する、そのことを指します。
齋藤千明さんのテラリウムはギャラリー内に生物を持ち込まず、自然を対象に版表現を使った作品を展示しながら、ギャラリー全体をテラリウムにしているように感じさせます。

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こちらが今回のご案内に使われたTerrariumシリーズです。
和紙で作られた靴が作品ということで階段状に棚が設置されました。


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木版画とコラグラフで刷られた和紙で作られた手のひらサイズの靴です。
齋藤千明さんはこれまでにも紙で洋服や靴を作った作品の展示をされたことがあり、2019年の栃木県立美術館「画中のよそおい」展での靴やドレス、みょうばんの結晶による首飾りは記憶に新しいところです。


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今展のこの靴にはカリウムみょうばんの結晶が付着しています。
これは作家が接着したものではなく、靴をみょうばんの水溶液に浸し、和紙が水を吸い上げ、水分を失ったみょうばんが結晶化したものです。
水溶液に浸す日数を増やせば、結晶はまるで生物が育つように大きくなり続けます。
作家によって意図的に付着させられた結晶ですが幾つもの条件で育ち方が異なるそれは意図とは異なった偶然性も持っています。
これは自然の造形とも言えます。


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靴のいくつかは木箱に収納されます。


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木箱よりも大きな紙の靴箱サイズの作品もあります。


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葉脈の形に切り抜かれた和紙を覆う結晶と、その上のハイヒールから珊瑚のように育った結晶には生命感があります。

 
 

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カウンター上には小作品が展示されています。
 

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木版とコラグラフによって虫や木の葉が表現され、アクリルで着彩されています。
額装されたこれらの小作品を見ていると森からのサンプリングのように思えてきます。
 



 

作品の表面でシルバーに見える光沢はアルミニウム粉末によるものだそうです。
光の反射により、見る方向によって見え方が変わります。どうぞ体を上下左右に動かしてご覧ください。
 
 
 

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このシリーズはMarshlandシリーズ、Marshlandは沼や湿地帯を表す言葉です。
それぞれが一つの作品として販売されますが、これからも両サイドに広がって行く想定で新作が作られるそうです。
水辺の風景を想わせるこのシリーズはパノラマ写真のように広がって行くわけですが、
この展示を右から左にみると、中央辺りから視点が水平ではなく上昇し捻りを加えられているように見えます。
点は水平に360度回転するのではなく、上下に捻られながら空に地面に水中にと広がって行くのでしょう。


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木版画とアクリルと顔料で着彩されています。
 
 
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1点だけ選ばれるのもありですが、2点くらいを並べて部屋に展示されるのもおすすめです。
今展の6点をコンプリートでお買上げの方には1点無料となります。お早めに。


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この壁面には木版画による見応えのある大作3点がとても心地よく展示されています。
2ヶ月ある期間中に、是非何度もじっくり見ていただきたい作品です。


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暗く深みを帯びた群青に引き寄せられ近づくと、木版による線の美しさに魅せられます。


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木版画という縦に重ねられたレイヤーの中に滝のような重力を感じる流れが静かにゆっくりと交差するこの作品。
昼間みるよりも夜の方が似合う作品だと思います。

実際、額装のアクリル板による反射が大きく、日中はちょっと見づらいかもしれません。
これからは長い夜を楽しめる季節、ぜひゆっくりとご覧ください。


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齋藤千明さんの作品は伝統的な木版画の技法を使いながら現代的に表現された作品です。
版画作品でもありますが、全て複製のない1点限りの作品となります。


作品の細部など詳細と価格はリンク先のネットショップからご覧いただけます。
よろしかったら。

ARTGallery KARAKARA FACTORY
https://karakarakobo.thebase.in


齋藤千明 作品展「 Terrarium 」
CHIAKI SAITO EXHIBITION
2020年10月2日(金)ー11月25日(水)殻々工房

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2020年10月13日 10:40に投稿されたエントリーのページです。

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