グラス類を収納するスペースをちょいちょいっと作ってしまおう、と安易に事を進めて大苦戦を強いられた。
カウンター内の床には勾配が付いていて、バックバー及び作業台の作りもアバウト、引き出しの枠になる部分の寸法や角度が上下左右で違うから、これを勘の悪い私がちょいちょいっと加工するなど百年早かったというわけ、結果はこの通り、面が斜めになっちゃって、もうイヤッ。
金物はこれ、ジョイフル本田古河店で購入。一組500円くらい。3本のレールで構成されていて、ガシャン、ガシャンと2段階に引き出される。グリースがこれでもかっと云うほどたっぷりと塗ってある。
単純に、箱を6個作って、この金物を取り付ければ出来上がり、なのだが、歪んだ空間に6つの面をぴったりと合わせるとなると微調整が難しい。
方向音痴の私にこの作業は非常に不向きであった。なにしろ私は右と左が咄嗟に判断できないという脳の持ち主である。そこ右ね、と言われてハイヨ~と平気で左に曲がってしまうのと同じように、ここをちょい上げだな、と調整したつもりが何故か下げてしまっている。チョイ奥にと思えば手前に出る。こんな事を繰り返しているとどうなるか、レールが壊れる。
このレールを滑らせている玉が外れてしまうのだ。それだけではない。
レールのお尻をソフトキャッチする部分が弱くなる。これはステンレスを直角に曲げてゴムキャップを嵌めただけの部分だから、無理にドーンドーンと押し込んでいるうちに90度だった角度がついには180度になってしまう。どちらもペンチで直せるが、これでは金物に対する安心感が揺らぐ。
金物に負担を掛け過ぎないよう配慮が必要だった。
また、狭いスペースに体を押し込んで作業するのは、忍耐のリミットを超えるとストレスに圧迫されそうになる。広い所で枠を作り、金物の取り付け位置をきっちり測って、すっかり出来上がったものを空スペースに納めた方が、仕事はずっと早く楽だったに違いない。レールももっと丈夫なものがあれば、ちょっとくらい高くてもその方がいいかもしれない。
作業中ベタベタのグリースに木屑が付いてしまったので、傍らにあったクレ556をスプレーして拭いてみた。するとレールはピッカピカ、「ズルヌルズル~」と粘った音を立てていた引き出しが「シャキシャキシャキーン」と軽快に滑るようになった。このシャリ感に恒久性はないんだよな・・・果たしてよかったのだろうか。
こんな引き出しでも、あればナンダカ格好がつく。
また作るぞ~。今度はもっともっと上手にね。