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ベンチレーター下の吹き抜けの塗装

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いよいよ、ベンチレーターに繋がる吹き抜けの塗装。
2連梯子を架けて、登る。登る。一番上まで登ってみる。
わあっ。ジャックと豆の木だね。なんて明るい声を出せたのも束の間。

架けた角度が左右均等でなかったのか、ズズッ・・・と梯子がホンの少し横に動くと、ヒッ・・・!と喉奥からしゃっくりに似た悲鳴が漏れた。
図面を見たらこの部分、最高でGL+7485。なるほど、高い。
登って楽しいのは2階建てくらいの高さ、それ以上の俯瞰は体を硬直させる。
実際5mのあたりまで下りてくると急に、魔法が解けたみたいに体が軽くなり、ここからなら飛び降りても怪我さえしないような気がするくらいだ。(解けてない・・・・)

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一番高いところから始めよう。ベンチレーターの径に合わせてくり貫いた屋根の断面には、ベニヤを4分割してまわしてある。まずはその内側から、下に向かって、リシンを塗り始める。
最初、水性のスプレーペンキを使ってみたが、塗料の霧の中に居るのが如何にも器官に悪そうなので早々に諦め、内壁と同じくリシンを刷毛とローラーで塗ることにした。この際パテは省略。
作業中は、ローラーを持つ手は伸ばしても、もう片方の手は必ず梯子に掛け、腹を引き寄せておく。体重を移動させなければバランスは崩れない。あるいは腕や足で対面の壁を押して体を突っ張らせる。この場合危険度は高いが自由度も高い。足の裏には常に神経を集中して、無理せず、少しずつ、ゆっくり、塗る。
体の返し方などだんだんと要領が分かってきて、梯子を信頼出来るようになれば、恐怖心も徐々に和らぐ。

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窓枠は、オスモのスカンジナビアレッドで塗装。
暑い。じっとりと、汗が滲む。
この吹き抜けの幅約88cmいっぱいに、高さ2mのフィックス窓が縦に二枚も並んでいるのは明かり採りのためだけじゃなかったんだ、と気が付く。ベンチレーターを搭載したこの吹き抜けは煙突のようなもの、太陽の熱で空気が暖まれば、ドラフトの力が強くなるのかもしれない。
店内にたった一つ設けられた大窓からこの吹き抜けに向かって、大きなストロークで風が流れ、ベンチレーターから空に散っていく様を思い描く。目に見えることはほんの一部、デザインはもっとスケールの大きいものなんだ。吹き抜けにぶら下がりながらそう思う。
初めて設計長に会った時、私達が一番に求めたのは草の生えた屋根とギャラリーとして機能する壁だった。設計長は紙にスイッスイッと草屋根と長い壁を持つ建物の絵を描いて、憧れは線となり現実の建物となった。楽しみはまだまだ続く。住んで触れて感じること、直接シャープペンシルの芯では描かれなかったものを発見すること、窓を全開にする季節になったら、風の通り道が見えるかな、そんな楽しみ。
ほっほっほ。私って天才。脳裏で、設計長殿が笑っている。

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2004年04月18日 11:32に投稿されたエントリーのページです。

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