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「コシモシ、殻々工房です。」

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町のあちこちの、農家の畑にコスモスを見かける。
緑化屋根にコスモスもいいね、休日のドライブの折にはいつもそんな話をしている。

工房長がカウンター越しに、三組、四名のお客様と、緑化屋根について話していた時のこと。
うち二人は建設のお仕事をされている方で、普段からいろいろなアドバイスをいただいている。
「えっ?緑化屋根って?なんのこと?」と、首を傾げる人がいたので、工房長が説明した。
「この店の屋根には土を盛ってあるんですよ。だからここは、言わば地下なんです」。

建設に詳しい二人はその会話をにこにこ笑って聞いていたが、うち一人が、
「緑化屋根ったって、楽しいのは住んでる人だけでしょうよ。道路歩いてる人からは見えないもん」
と言うので、工房長はこのところの考えを口にした。
「ええ、まだそうなんですけど、背の高いのを生やそうと思ってるんです。コスモス植えるのなんかいいかなあ、と」。
「ああ!花植えるのはいいね。道路からも見られるのは楽しいよ。でもさ、コスモスってのはちょっとの時期しか咲かないんだよ。咲いてる時はいいけどさ、すぐ枯れちゃうんだから。やっぱり一年中楽しめるようでないと・・・」
いっとき一人の声が響いたが、
「ぼくはっ・・・」工房長の押さえた声が途切れると、ぴたっと会話が止んだ。

「・・・はかない花が好きです」。

「あ・・・ああ~、儚い花ねえ」「なるほどねえ」
ややあって、座はもとの雰囲気を取り戻したという。

これは、一日の終わりに工房長から聞いた出来事を再現したものだが、私は工房長のこういうところを天晴であるなあと感心するのである。
リラックスしてふたりで話している時には、
「そりゃそうだよ、枯れてくってのがいいんだよ」「そうだよ、一年中咲いてたら面白くないよ」
なんて言ってるけど、私など、店をやってたらお客さんに枯れてる花を見せるのはあんまりよく思われないんじゃないか、と簡単に自分の言ったことを裏切ってしまいそうになる。
もちろん極端に意見を固めず柔軟な姿勢を持つことは大切だ。ふたりでじっくり、お客さんからも知恵をいただいて、店を育てていくのがいい。
来年の秋に、屋根にコスモスが揺れる店になってたら、どんなにすてきだろう。

「ねえ、そしたらさ、その時期だけは電話に出る時、もしもし、じゃなくて、こしもし、って言うことにしようよ」
「え。僕が言うの」
「・・・そりゃそうだよ。そしたら、あ~コシモシ?って言い返す人、いるかもしれないよ。あー面白い」
「・・・その件については即答できないな。考えとく・・・」

まず間違いなく却下されるであろうが、まったく、楽しみなことにかわりはない。

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2004年09月15日 15:43に投稿されたエントリーのページです。

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