牛が自然の森林の中で下草を食べ、地面を程よく均し、排泄物は肥料となる。森と牛とがバランスを保つように見守りながら時間を掛けて牧場を作っていく「森林ノ牧場」が、来年8月、那須にオープンする。昨日(2日)、5頭のジャージー種の子牛が那須の森に放され、その牧場見学を兼ねたプレオープンに参加して来ました。「森林ノ牧場」はアミタ株式会社が森林酪農として行なっている事業で、既に京丹後市弥栄町の牧場では、そこで育った牛から搾乳した「森林ノ牛乳」や「森林ノアイス」が販売されています。昨日、京丹後の「森林ノ牛乳」を頂きましたが、これがとても美味しい。牛乳の上部に自然とフロートするというクリームが濃厚で滑らか、僕はこの部分だけおかわりしてしまいました(^_^;)
レセプションで幾つか聞いた話のなかで、中洞 正さんの姿が強く印象に残った。中洞(なかほら)さんは24時間365日畜舎に牛を戻さない「周年昼夜型放牧酪農」や「山地酪農」などを確立させた酪農家だ。僕らが会場に着いた時、中洞さんはずっと子牛を撫で子牛も中洞さんに懐き、僕らの質問に対しても易しく丁寧に教えてくれた。
その中洞さんのレセプションでのスピーチは、近代酪農の、搾乳するためだけにストレスを感じるような狭くてアンモニア臭の立ち込めた牛舎に一生繋がられ、行政の基準をクリアするため本来牛が食さない餌を与えられながらアニマルマシーン化されていった牛たちへの想いを、熱く強く感じるものでした。
冷暖房付きの牛舎に繋がれた牛を自然の山に放しても熱さ寒さに耐えられず3日で死んでしまうだろうという。自然の中で生きられる牛を育てるのも大変なことなのだそうだ。
家に帰ってからネットで見たのだけれど、「周年昼夜型放牧酪農」では分娩も自然の中で行なわれ、搾乳の時間になると牛は自ら牛舎にやってくるという。そこには御馳走である雑穀が用意されているからそれ目当てなのもあるらしいが、それは強制のないギブアンドテイクの理想的な共生の形だと思う。
森と牛とがバランスを保つちながら自然な牧場を作ることができれば、ここは未来ずっと循環し続けることの出来る場所となる。この子牛達が健やかに育ってくれることを本当に心から祈っている。
これから雑穀も本格的に育てられるらしい。
もちきび、もちあわ、たかきび.....だそうだ....どれが、どれか.....聞くの忘れちゃった(^_^;)