アンヴァリッドの東、通りを挟んだ所に"Le musée Rodinロダン美術館"がある。ここもミュージアムパスで入れる美術館の1つだ。ストリートビューでは入り口に行列が出来ているが、この日はとても空いていた。パリの美術館を回るにはオフシーズンが良さそうだ。美しい庭園に囲まれたこのロココ建築の建物は18世紀に建てられたもので、以降、幾人も所有者が変わるなかでフランス衛兵隊の総司令官ビロン将軍の名を借り「ビロン館」と呼ばれているのだそうだ。詩人リルケの誘いでこの屋敷に住むようになったロダンの他にも、コクトーやマティスもここに住んでいたという。これまでロダンの作品を纏めてたくさん見る機会が無かった。上野の国立西洋美術館にある「地獄の門」と「考える人」を見て、迫力と力強さは感じても美しさはあまり感じなかった。でもここにあるロダンの作品はとても官能的で美しいものが多い。粗い仕上げの作品の中にロダンの彫刻の質の高さを見る。ここに来てロダンが好きになる。
作品"Le Baiser接吻"には目を奪われ立ち尽くす美しさがある。
どこかの学校の生徒たちがスケッチしていた。あまり上手くないから美術学校ではなさそうだ(^_^;) 美術の授業でロダンのオリジナルを間近にスケッチできる環境は恵まれていると思う。鑑賞する目を養うことは作り手を育てる上でも重要なことだと思う。
庭園にも名作が点在している。"Les Bourgeois de Calaisカレーの市民"はロダンの意図通りに、台座には載せず、見る者の高さで設置されている。作品に触れないように周りに水を配し視線を遮らないようにしている配慮が自然だ。壁には透明アクリルが張られ通りからも作品と中庭が見られるようになっている。
Le musée Rodin
http://www.musee-rodin.fr/