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The Metropolitan Museum of Art メトロポリタン美術館

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The Metropolitan Museum of Art メトロポリタン美術館です。
平日と日曜日は夕方5時30分CLOSE(月曜休館)だけど、毎週、金、土曜日は夜9時まで開いているというので土曜日に行って来ました。それにしてもデカい....夜まで美術漬けの1日の覚悟は出来てます(^_^)v
土曜日はグッゲンハイム美術館が通常CLOSEする5時45分から7時45分まで無料開放するらしい。歩いてすぐのところだし、ちょいと中抜けもする予定なのだ。

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週末だからか午前中は人通りも少ない。みんな今頃ゆっくりブランチなのかなぁ。
メトロポリタン美術館の入場料は大人1人20ドルと表記されてはいるけれど、任意の寄付金制度を取っている。ニューヨーカーは1ドルで入る人も少なくないらしいけど、よそ者だから1ドルは流石に気が引ける。しかし、まぁ、日本からここまで来る交通費が掛かってるからなぁ。僕は、チケット売り場で「グッドモーニング!ツーアダルトチケットプリーズ♪」と笑顔で10ドルを差し出した。受付のお姉さんは笑顔で「サンキュー、ハバナイスデー」と言ってくれた。いい出だしだ。


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入場する前にインフォメーションでミュージアムマップをゲットするのを忘れたのに気がついた。まぁ、そのうち何処かに置いてあるだろう。取り敢えず、片っ端から見て行く事にした。
エジプト美術ブロック。装飾品だけでなく、たくさんのオブジェや棺も並んでいた。


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エジプト美術を抜けると、ポスターにもなっているデンドゥール神殿があった。
紀元前15年頃、ローマ皇帝アウグストゥスがヌビアの地に建設した神殿なのだそうで、このヌピア遺跡がアスワンハイダム工事により水没の危機にあったのをアメリカが援助を行ったそうで、それに対して、エジプト政府から感謝の気持ちとして寄贈されたものなのだそうだ。
このガラス張りの大ホールはデンドゥール神殿を復元、展示するために増設されたものらしい。
遺跡の周りにはプールがあり.....水があると小銭を投げ入れる習性は世界共通ですね....この水はナイルの畔に建つデンドゥール神殿をイメージして、とのこと。


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デンドゥール神殿を過ぎるとアメリカンウィングという1、2階を使ったアメリカ美術のブロック。
豪華な部屋の復元の他、グラスや皿や装飾品の数々と、アメリカンヒストリーと題したアメリカの具象絵画のギャラリースペースもあった。

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アメリカンウィング内にある広々とした吹き抜けに彫像が点在するスペース。

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一階部分のサイドにはカフェがあり、中2階、2階部分のサイドは展示スペースになっていてガラス、グラスなどの美術工芸品が展示されていた。

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窓の外に作品の搬出口が見えた。
ここから世界に、と、妄想するとお約束で写真を撮らずにはいられない(^_^;
この先にはセントラルパークが広がっている。


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アメリカンウィング1階の隣には世界各国の武器と甲冑の展示ブース。
呪われそうな怖さは日本の鎧が抜き出ているような気がするなぁ(^_^;


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アメリカンウィング2階を抜けると18世紀までのヨーロッパ絵画と彫刻の展示ブースがあった。
フィリッポリッピ、ボッティチェリ、ラファエロ、カラヴァッジオ、グレコ、エイク、ブリューゲル、レンブラント、ラトゥール、フェルメール、.......すごいコレクションだな。このヨーロッパ絵画のブロックだけでも1日居ても飽きないだろうなぁ。

ここでベンチに置いてあったミュージアムマップ(Museum Plan)をゲットした。
マップと今見て来た部分を照らし合わせてみる。うーむ、やはり、メットは大きい美術館だな。計画的に見て行かないと全部は見切れないなぁ。ベンチに座ってちょいと作戦を練る事にした。
アートのジャンルに分けて大きくブロック分けされてはいるけど、そのブロックの中でまた細かく部屋に仕切られている。迷子になって作品を見逃さないように、このマップに、見た部屋をチェックしたり見た作品の名前を書いたりすることにした。


1階、中世美術と装飾美術のブロックはガラスケース入りのオブジェ展示が多かったので、ウィンドウショッピング気分でさらっと流しながら見て、ロバート・リーマン・コレクションに向かった。


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ロバート・リーマン・コレクションのロバート・リーマンとは、あのリーマン・ブラザーズの元社長なのだそうだ。
美術館からちょっと張り出したスペースになっていて、天窓から自然光が注ぎ込む中庭の様なスペースがあり、その周りを囲むように展示室がありました。

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ルネッサンスからモダンまで、幅広い絵画と装飾品のコレクションでした。
印象派の絵画は中庭に面した通路の壁に展示されているので日中は柔らかな自然光で見ることが出来ます。奥の展示室にはアングルなど。

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リーマンコレクションにはボッティチェリの「受胎告知」があると聞いていたから見たかったのになかなか見つからない。係の人に聞いても僕の発音が悪いのか、ここにはないよ、と言われた。最後にもう一度よーく探したら展示室内でようやく見つける事が出来た。思っていたよりもかなり小さかった....ガラスケースに入った「受胎告知」でした。


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ヨーロッパ彫刻と装飾美術ブロック。
ロダンの「カレーの市民」。台座は低く、人の目線と同じ高さの展示でした。パリのロダン美術館でもそうだったし、やっぱり上野の国立西洋美術館くらいなのかな、世界に12ある作品のうち、あんなに高い所に掲げちゃってるのは.....。

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この展示スペースの横には「ペトリコートカフェ」という食事の出来るカフェがありました。昼時ということもあって満席。空いたころに来よっと。


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モダンアートブロックの入り口のアボリジニーアートを見てからモダンアートへ。
メトロポリタン美術館のコレクションの幅広さは凄いなぁ。古代、中世、近代、現代の世界各国の美術作品がある。ここ、モダンアートのブロックは、1階、中2階、2階とあり、近代美術から現代美術までが展示されていた。


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ブランクーシの「空間の鳥」だ。
もっとすっきりした空間に展示されているのかな、と思っていたけど、でも、カッコイイ。


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クレーとボナールも美しかったなぁ。
ピカソ、マチス、ルソー、ミロ、ダリ.....こんな名画だらけの中に身を置いていることに感激してしまうよ。


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ジャコメッティのドローイングは好きだなぁ。
オキーフは今回ニューヨークに来て好きになった作家の一人だ。


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アメリカの生活と景色を切り取ったようなホッパーの作品。


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1階のモダンアートブロックの中には工業デザインのブースもあった。
カラフルなダイソンだね。


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階段を上って中2階へ。
僕は中2階があることを忘れていて、ここは2階だと思い込んでいた。作品も多いし、天井高いし.....でも間取りが違うなぁ....と思って係の人に聞いたら、ここはメザニンだよ、って教えてくれたんだ。僕はカタカナで、メザニン!?エー!?ココガ....メザニン!って言ったら笑って頷いてた。立派な建物だよぉ〜。
で、そのメザニンには、キーファーやウォーホルらの作品がギッシリ。
ウォーホルの大きな「毛沢東」の作品などを見ていると、作品が発表された瞬間をリアルタイムにギャラリーで共有出来ていたら、もの凄い衝撃だっただろうなぁ、と思った。


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階段横のスペースにギャラリーがあって、そこではリチャード・ハミルトン展をやっていた。


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モダンアートの2階はコンテンポラリーアート。


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ロスコ、ポロックなどなど。

このブースの先には、ダミアン・ハーストのホルムアルデヒド漬けの作品「サメ」も展示されていた。
何とも言えない存在感の強さ。それは実物だからということだけなのかな。ホルムアルデヒド漬けなんだけど、この作品に限っては、深い海の中に居るような美しさもあるように思った。
残念ながら撮影禁止とのこと。


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2階のコンテンポラリーアートを見終わると、隣には19世紀のヨーロッパ絵画と彫刻のブロックがある。3回目のメインディッシュな気分.......気づかないうちに、集中力が切れないように自分をコントロールしようとして無口になりつつある自分がいる(^_^;
それにしたって、セザンヌ、モネ、ピサロー、ルドン.....どうしったって快感が押し寄せて来る。


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MoMAでも幾つか見たけど、ピカソの青の時代はいいな。
ルドンの色は美しいし、2次元の中の3次元に4次元を垣間見るような感覚がたまらない。


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コロー、マネ、ドガ、ドラクロワ.....もうこの辺りで集中力が切れそうでした(^_^;


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19世紀ヨーロッパ絵画を見終えて1階に下り、アフリカ、オセアニア、アメリア美術のブロック。
こういうブロックは楽しい。
こりゃピカソもビックリして影響受けるわなぁ....な、独創的なオブジェたち。


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お腹も空いて来たのでリフレッシュを兼ねてペトリコートカフェへ。
お食事は割りと高め(^_^;
軽くつまめればいいや、という事で、二人でサンドイッチをシェアする事に。ステーキのオープンサンドをオーダーしたら、薄切りのトーストの上にカットされたモモステーキとサラダが載って、ブルーチーズの香りのソースが......これなら値段も納得です〜。美味いし〜。
紅茶を注文したらティーパックだけどポット出しで、お湯のお替わりまで薦めてくれました。
リフレッシュ完了!


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徐々に外は暗くなって来ました。
ライティングされたヨーロッパ彫刻ブースとアメリカンウィングのカフェ。美しい。
アメリカンウィング近くにある楽器ブロックを見過ごしちゃったと思い、戻ってみたらCLOSEでした。
他にも幾つか展示スペースでCLOSEの場所があったなぁ。残念のような、助かったような(^_^;


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そろそろ、グッゲンハイム美術館が無料開放される時間なので、一度退場
エントランスホールではクラシックが流れていました。


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さーて、夜のお散歩じゃーい。

で、グッゲンハイム美術館は割りと早く見終えてしまったので、また戻って続きを見ることに。入場の際にもらったバッチを見せれば再入場出来ました。


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気分転換したから足取りも軽く。
1階、ギリシャとローマの美術ブロックを見てから2階に上り、キプロス美術と古代中東美術へ。
この後は絵画がないから、かなーり気が楽♪


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古代中東美術から、イスラム、中央アジア美術の辺りに来て気がついた。
さっきホールに聞こえていたクラシックはホール上のバルコニーにあるバーでの生演奏だったんだぁ!
いいなぁ。よし、全部見終わったら、あそこで祝杯をあげるのだ!


勢いついて、アジア美術、韓国美術、南アジア美術、東南アジア美術を制覇!

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中国美術には幽玄な雰囲気の部屋と中庭が再現されていて、薄暗くてとても居心地が良かった。落ち着く。縁側に腰替えて休憩せずにはいられない。
そして最後に、日本美術ブロックへ。
和室の再現の他、木版画や仏像が展示されていました。


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イサムノグチの「ウォーターストーン」。堅い石と変幻自在な水は、対比として美しいし、水の音が心地良かった。
ブロックの最後には、昨年、日本でも話題だった伊藤若冲の掛け軸でした。


さーーーて、祝杯だとばかりにバルコニーのバーへ。
すごく高かったら困るので、まずはメニューを見ても良い?と聞いて、メニューを見せてもらう。ふむふむ、マティーニが11ドルか、ま、祝杯だし、いいんじゃないのぉ〜。

鼻息も荒く「よし、2名でお願いします!」
店員「もうクローズだよ....」
はっきりとしたカタカナで「クロ〜〜ズ〜〜!?」

店員さんは驚いたような顔をしながら時計を指差した。
たしかに、クローズ..........だ...なぁ.......。

まぁ、いっか!


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達成感と共にメットを出る。
夜の寒さが気持ち良いなぁ〜。
さーて、地下鉄乗って、ビールでも買って宿に帰ろ〜ぅ♪


この美術館が百円台で見られるなんて......もしニューヨークに住んでたら毎日とはいかなくても毎週来るね。画集開くより美術館に行くよ。

...............................


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Museum Plan 1F

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Museum Plan 2F

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Comment(4)

素晴らしい体験でしたね。羨ましいなぁ~~。

甲冑、抜きん出てますよね、たしかに。
ノグチも、若冲もいい!
こうやって全体から見ても、日本文化、捨てたもんじゃない
ですよね。
もっと大事にしないと・・・・・・

何より驚いたのは、写真可!ってことです・・・・・NYは心が広い?

marianaさん、ありがとうございます。
メトロポリタンっていい美術館ですね〜。

日本と中国の再現された空間はとても心地いいものでしたし、日本という小さな島の魅力を感じる作品は幾つもありますね。
欧米にはない日本の独特な美の良さを再確認しました。

今回行った中ではMoMAとメットと自然史博物館は写真OKでした〜♪

kass:

すごーいボリューム。
私なら知恵熱出すだろうな…

kassさん、どうもでっす。
すんごいですよねぇ。
今回、熱出さないように毎日解熱剤飲んでたんですが、それが知恵熱にも効いたかな(^_^;

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2010年02月02日 23:34に投稿されたエントリーのページです。

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