宇都宮の栃木県立美術館で「イノセンス-いのちに向き合うアート」を見て来ました。
ジャン・デュビュッフェのアール・ブリュット(後のアウトサイダーアート)から始まった美術のあり方は、日本でも盛んに取り上げられ、かなり根付いているように思う。昨年の夏に行った烏山の「もうひとつの美術館」も、障害を持った人の表現に対象を絞っていたように思うけれど、そういったものの1つだと思う。
今回の栃木県立美術館の企画はタイトルからもアウトサイダーアートというよりもアールブリュットにイメージが近い。美術教育を受けた経歴も持つ現代美術作家(今回のテーマに沿った作家をセレクト)と、独学で表現を確立させた作家、障害を持ちながらも美術表現をする作家、それぞれが全く同じステージ(壁面)に並べられている。
作品を知っているから、あ、草間弥生だ、とか長重之だ、イケムラレイコだ、と分かったけれど、もし知らなければ、僕はそのバックボーンの違いには気がつかないかもしれない。この際、そんな違いはどうでもいいということかもしれない。
表現に於ける技術ではない表現者の内側の強さ、表現する必要性や意味、を見る展覧会なのだと思う。
会場入口では佐藤真監督のドキュメンタリー「まひるのほし」と「花子」を見る事が出来ます。僕らは時間が無くなってしまって見られませんでしたが。。