ミラノに着いた翌朝、鉄道でミラノからヴェネツィアへ。
旧イタリア国鉄を引き継ぐトレニタリアTrenitaliaの公式ホームページから割引チケットを購入。eチケットでクレジット決済してから送られて来たバーコード付のメールをプリントして持って行くだけ。"Mini"といって早割みたいなものだけど直前でも席があれば買えるみたい。正規料金の最大6割引きというから、これは大きい。
時間帯や列車の種類によって割引率や料金もさまざま。
今回のミラノの中央駅 Milano Centraleからヴェネツィア サンタルチア駅Venezia S.Luciaまでだと、行きはユーロシティで1人9ユーロでした。これは定価の半額くらい。
ちなみに帰りは時間帯的にちょっといい列車しかなくて32.5ユーロのが23ユーロでした。
ミラノからヴェネツィアまでは約2時間20分。ミラノに住んでたらあっちこっち行きたくなっちゃうだろうな。
中央駅は美しいだけでなく構造がシンプルで分かりやすい。
地下では地下鉄と連結、スーパーとショップなどがあり、日本的に言えば1階と中2階にカフェやショップがあり、最上階にプラットフォームがある。
列車はミラノを出て北イタリアの山並みを眺めながら進み、ベルガモを過ぎ、広いガルダ湖畔を通る。長閑な田園風景のなか幾つもの小さな集落を見る。その全ての街に教会の鐘楼がみえる。ロミオとジュリエットの舞台ヴェローナを過ぎ、パッラーディオの街と呼ばれるヴィチェンツァを過ぎるとヴェネト州の広大なぶどう畑が広がった。ヴェネトワインといえばソアーヴェにヴァルポリチェッラ、バルドリーノをはじめアマローネ、プロセッコなどなど、イタリア最大の生産量を誇り、僕自身、いつも仕事でお世話になっているものばかりだ。1月末だから畑には収穫後の立ち木と添え木以外何もなく、ワイナリーに寄ることもなく、ただ車窓からぶどう畑を眺めた。
アドリア海が近づくにつれ倉庫が増える。そしてヴェネツィア・メストレ駅を過ぎるとアドリア海の北のベネチア湾の上を線路と道路が平行して走る。海は底がはっきり見えるくらいに浅く、その海面の直ぐ上を滑るように列車は進み、終点、ヴェネツィア・サンタルチア駅に到着する。
この動画の最後に列車は停止したのは駅に着いたのではなく駅から出る列車との時間調整のようだった。このあとまだまだ海の上を走るのだ。
地図で見ると分かるけどヴェネツィアは潟に土を盛って作られた島だ。今は鉄道と道路が箸のように本土と島を繋げているけれど、中世、ヴェネツィア共和国の首都として華やかだった時代は孤島だった。何だか現実のものとは思えない。
サンタルチア駅のプラットフォームは見上げた天井のモザイク以外は何とも味気ないものだった。豪華さはどこにもない。
駅の構内も薄暗い。
ただ外に出るために通過するための空間のようだった。
この暗さとのコントラストで、このあと目が眩んだのかもしれない。
駅を一歩出るとそこは違う世界のようだった。
海の中に作った島だ。アドリア海の中に立っているようなものだ。
真冬なのに陽射しが暖かい。
きっと誰もがここで写真を撮ったことだろう。
目の前には運河、島の中に車はないから人は歩くか船にのるしかない。
放り出されたように、そこはヴェネツィアだった。
Trenitalia
http://www.fsitaliane.it/