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2つのフラゴリーノ

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ガイドブックにも載っている有名なバーカロの1つ。
ここでは白いフラゴリーノが飲めるという。
ヴェネツィアのバーカロでフラゴリーノを出す店は少なくない。日本でだってフラゴリーノという酒は手に入る。でもそれは苺の香りを加えた甘口のフレーバードスパークリングワインであって、ここで飲めるフラゴリーノとは別ものなのだそうだ。
もともとフラゴリーノとは、ウヴァ・フラゴラuva fragolaというブドウから作るワインなのらしい。このウヴァ・フラゴラは苺の香りのするブドウなのだそうだ。だから「ブドウイチゴ」という名前が付けられたのだろう。
1800年代、アメリカから渡ったブドウの木から、フランスをはじめヨーロッパ全土に害虫による被害が拡がったことがあったらしい。その対応として、アメリカから今度は害虫に強いブドウの品種が持ち込まれ、接ぎ木することで被害を食い止めたのだという。その害虫に強い木というのがウヴァ・フラゴラだったのだそうだ。
ウヴァ・フラゴラのブドウを発酵して作られたワイン、フラゴリーノはワインなのに苺のような香りがするという。ところが、この発酵はメチルアルコールも生成してしまうということで、燃料にも使うメチルアルコールだからもちろん体に良いものではなく、販売を禁止されているのだそうだ。
とはいえ、ヴェネツィアでは幾つかのバーカロでメニューに書いてない自家製フラゴリーノを飲めるという。悪酔いするから飲み過ぎ厳禁、というノリで。

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白いフラゴリーノを注文すると、冷蔵庫からボトルを取り出しカクテルグラスに注がれた。
カメラを構えるのも控えてしまうくらい落ち着いて人のいない店内だったので、こそこそとiPhoneで撮ったらなぜが白ボケしてしまった。
冷えているせいかアロマにはそれほどの苺は感じなかった。でも一口含んだあとのフレーバーは、やはりブドウというよりもしつこさのない爽やかな野イチゴの香りだった。
これが果たして本当にウヴァ・フラゴラで作られたものかどうかは分からないけど、僕はそうなんだと思うことにした。

ヴェネツィアを歩いていると幾つか賑わいだバーカロを目にする。
その中の1つにぶらっと入ってフラゴリーノを注文してみた。
白いのください、というと、無い、と、首を振られた。
でてきたフラゴリーノは赤く、甘く、しっかりとしたスパークリング。
注ぐボトルにはラベルが貼ってあり、はっきりと自家製ではないのが分かった。
しっかりとした苺の香りだけど、これはこれで美味しかった。
立ち飲みしていたら店の人が、ボトルに少し残ったフラゴリーノをサービスで継ぎ足してくれたので、目を見てニッコリお礼を言った。そんなことだけでこっちはご機嫌だし、鼻歌歌いながら仕事してる店の人も気に入った。この店、ヴェネツィアいるあいだ毎日通っちゃおうかな。
日本に帰ってから飲むならこっちでもいいや、と思った。
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2012年02月29日 09:12に投稿されたエントリーのページです。

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