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DU PAIN ET DES IDEES

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パリではじめてパンを食べた時は、どのパン屋も美味しいと思ったけど、あちこち食べているうちに幸か不幸か驚くほど美味しいパンにぶつかることがある。そうすると、それまで美味しいと思ったであろうサンドイッチのはずが、これならPAULでいいか、とかいう贅沢で高慢な言葉が頭を過ったりする。
夜の散歩中、ここのパンは美味しいらしいというパン屋に寄ってみた。
閉店間際なのに棚に置かれたパン・デ・ザミの切り口からは湯気が上り、レジには列ができ、店に入って来る人が後を絶たない。列に並びながら少なくなったパンの中から何を買おうか考える。順番がきて、焼きたてのパン・デ・ザミを注文すると店のおばさんがパンを取りながら近くにあった、このショソンも美味しいわよ、リンゴが入ってて、と薦めてくれたので、ショソンも1つ買うことにした。
僕は、このフランスのパン屋での買いものをするプロセスが好きだ。
レジの前に並び、1人ずつ挨拶をしてから注文をし、パンを入れてくれるところを眺め、レジを打ったあとに言われた金額を支払い、お互いが、ありがとう、さようなら、と言って店を出る。焼きたてのパンの香ばしさに満たされた店内での、この簡単な言葉の遣り取りと店の人の笑顔にとても温かみを感じる。

思えば、ちょっと前まで日本だって八百屋や魚屋も似たような注文方法だった。少なくとも僕の育った近所では。スーパーでパッキングされて陳列されるようになった今となっては、ケーキ屋とデパ地下の総菜屋くらいなのかもしれない。だからなのか、僕は日本のスーパーやコンビニで無言で支払いを済ませ釣銭を受け取り帰る客を見ると不気味な感じがするんだ。

せっかくの温かいパン・デ・ザミだから、店の外のベンチに腰掛け一口かじってみた。良く焼けた香ばしい皮の中はもっちりふわふわっとしたナッツのような香りがして、パリのキリッと冷えた夜の下、何とも言えない幸せな気持ちになった。

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近所のスーパーで飲みやすいローヌの赤とモルタデッラ、寝起き用のシェーブルのヨーグルトを買って部屋に戻った。僕はシェーブルが大好きなので、毎日食べた。このワインは3ユーロくらいだったから日本だったら300円台、安いね。すすめられたショソンも美味しかった。

この記事を書きながら、このパン屋のことを検索したら、やはり、パン・デ・ザミがおすすめらしい。ホームページにはフランス語、英語、日本語の表示もあった。

DU PAIN ET DES IDEES
http://dupainetdesidees.com

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2013年02月09日 07:37に投稿されたエントリーのページです。

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