イタリアとの国境近くの町、マントンに着いた。
公園、街路樹、あちこちにオレンジが実っている。
オレンジといえば食べものじゃないか。街のあちこちに食べものがぶら下がっている。
それだけでなんて豊かなんだろう、と思ってしまう。
マントンにはジャン・コクトーを見に来た。
ここにはコクトーの美術館が2つと、市庁舎内にコクトーの手掛けた"婚礼の間Salle des Mariages"がある。まずは市庁舎へ行こう。
市庁舎は2時まで昼休み、着いたのは2時ちょうどだった。
中に入り、受付で婚礼の間は見られますか?と聞いた。
ニコリと頷き、2人で4ユーロ。
女性の係の方に案内されながら、日本から?と聞かれたのでそうだと答えると、またニコリと頷かれ、婚礼の間に通されたあと暫くして日本語の音声ガイドが流れ出した。ありがとうございます、とお礼を言い、係の女性は部屋をでて、あとはゆっくり30分くらい見ることができた。ちなみに撮影は禁止。
日本で言えば雛壇にあたる正面と、左右の壁、天井、の4面に絵が描かれ、またこの部屋にある鏡や椅子、敷物など全てがコクトーによるデザインなのだそうだ。
正面の壁には、漁師の町マントンを象徴する漁師帽を被った青年と若い女性の向き合う横顔。目は魚で、2人に降り注ぐ地中海の陽射し、海の青。
右の壁には婚礼のシーン。馬に乗る2人を祝福する人達と、彼に想いを寄せていた娘の悲しそうな顔、その兄の憎しみににた表情。
左の壁には闘いのシーン。半身半馬の男達と、悲しみに力なく崩れ落ちそうになる女。
天井には舞い上がる翼の生えた男たち。
撮影禁止だけどyoutubeに公認の動画がアップされているし、マントン観光サイトに写真もあります。
Salle des Mariages Jean Cocteau
http://www.tourisme-menton.fr/Salle-des-Mariages-Jean-Cocteau.html
市庁舎前はヤシの木がいっぱい。
この婚礼の間では地元の人はもちろん、日本人どうしの結婚式もあるそうだ。
くそぅ、手が届かない。