フィレンツェカード2日目、メディチ家礼拝堂からのカーサ・ブオナローティへ。
インターネットやガイドブックなどの情報では、ここはミケランジェロが住んでいたのではないからミケランジェロの家ではなくブオナローティ家によるコレクションの博物館なのだという。見るべき作品もレリーフ2点のみ、という声が多いのだけれど、ミケランジェロのデッサンも所蔵している貴重な施設だったりします。
2年前の2013年に日本でミケランジェロ展がありました。
福井県立美術館と国立西洋美術館の巡回展で、僕は見逃したので古本でカタログを購入して見たところ、学術協力と作品の多くはカーサブオナローティの協力。確かに派手な作品は少ないですが、企画展1つ作れるくらいのものを持った施設です。
とはいえ、ちょっと難あり。
見終わってみると、ミケランジェロの甥であるミケランジェロ・イル・ジョーヴァネによる装飾というか演出が濃いので、ミケランジェロを見に来た場合はそれが鼻についてしまうかもしれません(笑
ま、とりあえず。
自画像ではないようですが、ミケランジェロの肖像がいっぱいありました。
ミケランジェロの所有していたものも展示されてました。
彫刻家のみならず芸術家の持ち物っていうのはインスピレーション掻き立てられる面白いものが多いですよね。
これは見所とされている16歳の頃に作った「ケンタウロスの闘い」。見たいと思っていました。
そして同時期の「階段の聖母」です。
浅い掘りですが奥行きがありますねー。
この10代のミケランジェロの技術に嫉妬して師匠のギルランダイオはミケランジェロを追い出したという話もあります。
他にもミケランジェロのデッサンなど見るべきものがたくさんあるようなのですが、レンタル中なのか展示されていなかったりもしました。
ミケランジェロによるサンロレンツォ教会のファサードの模型と、その奥のメディチ家礼拝堂に設置される予定だった河の神の像の習作です。
サンロレンツォ教会ってこうなる予定だったのかぁ........現状と全く繋がらない。
どちらも未完で終わりました。
ガレリアという部屋です。
英語で言うところのギャラリーですよね。
絵は、いかにもミケランジェロではない感じです。
ジョーヴァネのアイデアによる装飾のようです。
数人の17世紀の画家の名前がありましたが、僕の知らない画家ばかりでした。。
ミケランジェロを神格化している部屋、という感じ。
この家は、壁に直接のだまし絵的な装飾が少なくありません。
システィーナ礼拝堂の天井画の周りに配置されている聖人たちの絵ですね。
どの部屋も所狭しとぎっちりで、濃いです。。
昼と夜の部屋。
天井画には奥に「光」が描かれ、手前に「闇」、その天井の中央に「神が世界を闇と光に分ける」が描かれています。闇(夜)から光を引き離したのが昼なのですね。
夜。
このクローゼットが気になり写真を撮っていたのですが、中も見たくてカメラだけ内部に入れようとしたらめちゃくちゃ注意されました。
レスペクトしろ、と。
そのあと、しばらく目をつけられました。。
クローゼットの中は左側に人が入れるようになってました。
書斎のようで、実際にミケランジェロ・イル・ジョーヴァネが使っていたそうです。
これは押し入れプロジェクトだ、と。
天使たちの間。
天井の中央に大天使ミカエル。
この「天使たちの間」と「昼と夜の間」はヤコポ・ビニャーリによって描かれたとされています。
初めて聞きましたし、知らない作家だらけですが、ミケランジェロの影響を受けているようなタッチが多いです。
ミケランジェロが描いたのかと思いました。
十分に上手いですけど、この家には住みたくないなぁ。
というか住まない前提で装飾されてる感じしますね。
ジョーヴァネによる古代の雰囲気を持ったアポロの間です。
ね、ミケランジェロよりもそれ以外が多くて、しかもそっちの方がインパクトあるところが旅行者には受けないところかもしれない。。