18世紀の火災に遭いながらもマザッチョやマゾリーノ、フィリッピーノリッピによるフレスコ画で飾られたブランカッチ礼拝堂は無事だったといのが美術ファンには不幸中の幸いのサンタ・マリア・デル・カルミネ教会。
中庭の奥にブランカッチ礼拝堂の入口があります。
1420年代にマザッチョが描いたというフレスコはとてもシンプルですが、この後のルネッサンスの幕開けとも呼ばれミケランジェロ、レオナルド、ラファエロなどにも影響を与えた貴重な作品。1980年代に修復されたため、とても鮮やかです。
中央の祭壇画は13世紀後半の「カルミネの聖母」。
左の壁、上段の一番左に有名な楽園追放が見えます。
隣もマザッチョの名作で「貢の銭」です。
この礼拝堂の祭壇画「カルミネの聖母」と、「楽園追放」「原罪」以外は、3人の画家によって「聖ペテロの生涯」が描かれています。
透視遠近法や、輪郭線をなくし立体的に描写する新しい技術を取り入れ、また人物の感情を豊かに表現する現実的な写実の方向へ進むルネッサンスの先駆けとも呼べるマザッチョの作品の中で、「貢の銭」には一枚の絵の中に3人のペテロがいるというのも、ある意味説明的でもあってとても印象深いです。
この隣がマゾリーノです。
そして下の段、一番左がフィリッピーノリッピ、隣がマザッチョとリッピ、その隣がマザッチョです。
向かって右の壁の上段の一番右がマゾリーノの「原罪」、隣がマゾリーノとマザッチョ、その隣がマザッチョ。
その下もマザッチョで「施しをする聖ペテロ」、その右2枚ともリッピです。