今回のブリュッセルでの飲食の部分での一番の目的はここランビックビールのカンティヨン醸造所の見学なのです。
ガイドツアーは予約制ですがセルフツアーでしたら予約なしで見学できます。
しかも、受付で日本語の解説プリントを渡してくれます。この解説は日本に於けるベルギービール輸入の草分けである小西酒造株式会社が制作してくれたものだそうです。ありがたいです。
仕事でもいつもお世話になっておりますm(_ _)m
予てから、僕がベルギービールの中で一番好きなのがランビック、そしてこのカンティヨンでした。日本でも買えるけど、ちょっとお高いから日常的には飲めないんですけどね(笑
ビールのシャンパーニュ、麦のワインとも呼ばれる、酸味の効いた自然発酵ビールです。
倉庫のようなドアの中に入ると、右手にショップを兼ねた見学受付、左には試飲スペース。
ブルワリー見学料金には見学後の試飲2杯分の料金が含まれています。
見学しないでも有料で試飲だけもできるみたいです。
それではレッツラゴー!
マッシングタンク(糖化槽)です。
マッシングタンクの上にある粉砕機にかけられた小麦と大麦麦芽がタンクの中に落とされ、タンクの中のプロペラでお湯と混ぜ合わせられます。
45度から72度に高めて2時間。
穀物のデンプンが発酵可能な糖とデキストリンに変わります。これが糖化です。
糖化したらプロペラを止めて穀物の粕を沈殿させ、液体を(麦汁)をマッシンクタンクの下の容器に落とします。
前日にその作業があったそうで、来週にまたあるから見に来たら?と言われたのですがその頃はもう移動してしまっているので残念ながら。。
麦汁はポンプで2階に上げられます。
階段で移動しまーす。
汲み上げられた麦汁はタンクの中で煮沸されます。
この際、3年ものの古いホップを加えるのがランビックの特徴だそうです。
10000リットルの麦汁が7500リットルに減るそうです。
ホップの粕をろ過してから最上階の冷却槽に汲み上げられます。
これが小麦と大麦麦芽の粉砕機かな。
粉砕が細かいとろ過が上手くいかず、粗いと糖分を効果的に取り出せないそうで、その引き具合に非常に気を使うそうです。
お湯を沸かして保温しておくボイラーです。
では最上階へ。
天然酵母のいる屋根裏部屋です。
屋根裏は穀物倉庫でもあります。
穀物とホップの保存には通気の良い屋根裏が適しているそうです。
ビール醸造は10月から4月のみなのだそうで、原料が屋根裏に積み上げられるのもその間だけとのこと。
これが冷却槽です。
煮沸されろ過された麦汁はこの最上階の浅い冷却槽に寝かされます。
冬の夜間の冷気にさらして自然の力で18度から20度まで冷却されます。
それができるのが10月から4月までなんですね。
この屋根裏には発酵性の微生物が浮遊していて、ここで野生酵母が根付きます。
自然発酵ビールのランビックの一番大切な聖域です。
階下で煮沸され殺菌されましたが、麦汁が40度くらいまで下がると自然のバクテリアや酵母菌が根付き始めるのだそうです。
野生酵母の住む環境作りのため、屋根にあいた穴はそのまま、虫を取ってくれる蜘蛛巣もそのままです。
冷えた麦汁はこのステンレスタンクの中で温度と糖度が調整されます。
まさに冷却槽から移されたところでした。
奥のステンレス槽に樽詰めされる前の麦汁が入っています。
ビールの作り方には上面発酵、下面発酵、自然発酵がありますが、この自然発酵で作られるランビックビールを作っているのはブリュッセルのこの地方のみ。
それを家族経営で作り続けているのがここカンティヨン。
ね、ランビック好きなら、来たくなるでしょ。
温度と糖度が調整された麦汁はオーク材か栗材で作られた樽に入れられ、発酵と熟成が始まります。
発酵がはじまると2酸化炭素が発生し、樽の上部の開口部から泡が噴き出します。そして1樽あたり5〜10リットルの麦汁が無くなるそうです。
4〜5週間で活発な発酵は落ち着き、開口部は閉じられます。
この頃からアルコールを持ちはじめ、ランビックとして3年くらいは発酵が続きます。
3年経つと糖分はほとんど残っていないそうです。そして、約20%も目減りするそうです。そして2酸化炭素はほとんど溶けきっているので、炭酸もありません。
炭酸のある方が好きという人はグースがおすすめです。
グーズは、1年、2年、3年、のランビックをブレンドします。まだ糖分のある若いランビックと熟成ランビックを瓶の中で2次発酵させて作られます。
いかにもビールのシャンパーニュですね。
人気のフルーツランビックは2年もののランビックに完熟の果実を漬け込むのだそうです。
これもたまらなく美味しいです。
業務用生樽あるんだ(@_@;
この生樽1つ欲しいわ。
le temps ne respecte pas ce qui se fait sans lui
時間は....尊敬しません?.....彼なしでここにあるのを....?
また1からフランス語勉強しないとだわ。。
樽からボトリングされる前のろ過器のようです。
ボトリングしてシャンパーニュと同じコルク栓、そしてラベル貼り。
これはグースです。
水平に積み重ねられ、地下の貯蔵後に移動し何ヶ月か過ごします。
発泡しなくなった熟成ランビックが若いランビックと合わさることで2次発酵しグースとなり、理想的な保存状況であれば25年以上も美味しさを保つことができるのだそうです。
これはケース買いですね(笑
地下では熟成後の樽の洗浄が行われていました。
手作業と蒸気と機械によって洗浄され硫黄で燻煙殺菌されるそうです。
樽に付いた微生物はきれいに落として、冷却槽でのみ根付いた野生酵母を使うということですね。
試飲コーナーの注文コーナー。
無料で飲めるのは、ランビック、グース、クリークの3種類です。
まずは、待望のランビック。
うまい!!これを待ってました!
これは日本では飲めません。
酸味が心地よく胃がスッキリします。たまらーん!
人によっては苦手なようで、英語の青年は困惑した表情でした。。
次にグースとクリークです。
これまたうまい!クリークは万人向けですよね。
サンクランボの甘い香りはあるけれどランビックの酸味で爽やかな飲み心地。
日本でもグースとクリークは入手しやすいです。
はるばる来たのでもちろん有料でまだいただきます(笑
lambic haute densiteってやつ下さい!
これはグッときます。かなり好み。
グラスで飲めるのはランビック、グース、クリーク、そしてこのオウトデンシテ(高濃度?)の4種類でした。デンシテはアルコール度数9%。
ランビックお代わりしました。
有料だとグラスが大きい♡
なんとこれで2、5ユーロ。お安い!
ランビック以外は3ユーロでした。
あー、1日ここにいたいわ〜♪
大満足です。
日本に帰ったら小西酒造さんからケースで買いますよ、カンティヨン。
Brasserie Cantillon
http://www.cantillon.be
※この記事はカンティヨン醸造所で頂いた小西酒造さん提供のテキストを参照させていただいております。