ルーベンスが1616年から亡くなる1640年まで住んだ邸宅で、自分でデザインしたものなのだそうだ。
そしてこの中にある工房から残した作品が2000〜3000点とのこと。
王室の外交官として諸外国の王室間を飛び回っていたルーベンスのことだから、ここに篭ってというよりも、ヴァンダイクなどの弟子たちと仕上げたもので、当時の分業制の成せる技なんだろうなぁ、と思うのです。
これは中庭から見上げた眺め。
イタリアな感じですよね。
さすが、イタリアから帰ったばかり頃のデザインです。
内部も絵画、彫刻、家具、など見応えあります。
セルフビルダーとしては、この暖炉が気になりました。
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扉を開けて煙道をつくり、手前の窪みが火床になるんでしょうか。
ヤカンなどが吊るされた自在鉤のようなものの高さ調整が洋風ですね。
日本の自在鉤は竹の内部を鉤棒が上下して高さを調整させると思うんですけど、これはノコギリのようになって一段ずつロックされるようになっている。
また鍛造による硬質な雰囲気も日本のものとの違いが明確ですね。
どっちが良いとかいうものでは無く、この違いがいいです。
ルーベンスの自画像が見えます。
各部屋に暖炉があってすごいな。
ここにも画廊画がありました。
ベルギー回ってから画廊画が面白くなってきました。
作者はWillem van Haechtウィレム・ファン・ハヒトって読むのかな?
(写真をクリックで拡大します)
この部屋はルーベンスの友人でもあるコルネリス・ファン・デル・ゲストの部屋なのでしょうか。コルネリスはキャンバスの左下にいて、彼のコレクションでもあるクエンティン・マサイスのキスする聖母子像について力説しています。
作品の前にはスペイン領ネーデルランドの君主のアルブレヒト大公と妻イザベラがいます。
彼らはロンドン条約締結後の情勢の安定した中で芸術家の支援者として著名になったのだそうです。
そして、アルブレヒトの右にいるのがルーベンス、ブリュッセルにあるアルブレヒトの宮廷専属画家でもありました。
ルーベンスよりも右、コルネリスのすぐ後ろにいるのがアンソニー・ヴァン・ダイクです。
アポロンなどのギリシャ彫刻の並ぶ壁の奥にあるのはヤン・ファン・エイクのトイレの女(入浴の女?)に見えます。やっぱりコルネリスのコレクションの部屋なんでしょう。
アポロンの伸ばした腕の先の開口部、階段の途中から顔を覗かしているのが作者のウィレム・ファン・ハヒトのようです。
なんだかとっても気が弱そう。笑
この部屋の作品を全て解説してくれる資料があるとより楽しめそう。
半円ドーム屋根もあり、美術館のような空間です。
ルーベンスは熱心な彫刻作品のコレクターでもあったようです。
昔はここに火を入れてたの?
バルコニーからの中庭の眺め。
季節がよければ美しいんでしょうね。
期間限定の展示「A New Van Dyck」です。
イギリスのお宝発見的なテレビ番組によって、屋根裏部屋にあった作品が専門家よりヴァンダイクによるものと判明。400ポンドで買ったらしいこの作品は修復されここに展示されているそうです。
このあとニューヨークのフリックコレクションでのアンソニーヴァンダイク展に展示されるとのこと。
ヴァンダイク、甘いマスクだよね。
ルーベンスのアトリエです。
素晴らしいアトリエです。
右にルーベンスによる受胎告知、下にアダムとイヴが見えます。
他にもヨルダンス。
ここは必見だと思います。
ルーベンスによるセバスチャン。
ここでヴァンダイクも描いてたんですね。
暖かい季節なら見所らしいです。ガーデン。