
今日も旅のあとのお勉強のお時間です。(笑
トレドでみたグレコの絵の中で、ここ、サントトメ教会にある「オルガス伯の埋葬」が一番記憶に残っています。
ここは撮影禁止でしたのでwikipediaからお借りして来ました。
題材は、死後に伯爵位を綬爵されたトレド出身のオルガス首長ドン・ゴンサロ・ルイスが1312年に死去したときの伝説です。
この教会の修復や拡張のために多額の遺産を残したオルガス伯が埋葬される際、聖ステファノと聖アウグスティヌスが降臨し、彼らによって埋葬されたという話です。
画面は上下に分けて見ることができます。
上は天上の世界、
イエスを頂上に左にマリア、右にヨハネ。これはビザンチン様式のイコンに良く見られる構成です。
下は現世の世界、
煌びやかで精巧に描かれた服を着た聖ステファノと聖アウグスティヌスの周りには、教会の司祭と当時のトレドの著名人と想われる人たちが並びます。
その中にはグレコ本人や息子のホルヘマヌエルの姿もありますが。
1586年から1588年にかけて描かれたこの絵は、グレコにとってそれ以前のヴェネツィアやローマの影響というか作風に囚われることなく、独自の作風を表した最初の傑作と呼ばれています。
肖像画というのはパトロンが自分の姿を後世に見栄え良く残すために描かせたものが多くありますが、時の著名人や偉人に対するレスペクトから残される場合もあります。
群像としてこの時代の著名人を集めた記録として考えたとき、社会的な価値が出てくるのと共に、この絵の密度からグレコの肖像画家としての力量を再確認しました。
すっげぇな、と。
個人的にグレコの作品の中では好きな絵が2枚ありまして、
聖人画を含めた宗教絵画を多く描いたグレコの、宗教的な題材の作品の中ではこれが、
もう1つはメトロポリタン美術館にある宗教画ではない「トレドの眺望」が好きです。